みなさんは、海外旅行の際に、夜出発の飛行機に乗ったことはありますか?
夜の飛行機で離陸する時に、窓から夜景を見下ろすと欧米諸国は、オレンジ色の光が多いのに対して、日本は、白い光が圧倒的に多いのです。欧米諸国と比較して、日本人は「白い光」を圧倒的に好んで使っています。
これは、戦後まだ国力の弱かった時代に、将来の電力消費の伸びを懸念した政府が、蛍光灯を推奨した事に端を発しています。蛍光灯は、白熱電球より発光効率がよく、寿命も長く熱の放射が少ないなど、いいことづくめの特徴から日本中の家が、あっという間に蛍光灯になったのです。
つまりは、日本の政策と文化として蛍光灯が推奨され、日本人は蛍光灯が発する「白く、明るい」部屋で過ごすことに、小さな頃から自然と慣れ親しんできたのです。住宅街にあるコンビニなんかも、異常なほどに明るいです。
また、青い目を持つ欧米人などは、体質として目が光に弱く、天気のいい日にはサングラスが必需品なのに対し、黒い目のアジア人は、そもそも光に対して目が強いため「白く、明るい」に耐えられたという身体的特徴も影響しているそうです。
このように、日本は歴史的に「白くて、明るい」照明を好む文化が根強く残っています。
また「白くて、明るい照明」を好むのには、もう一つ「そうじゃないと、目が悪くなる」というのも、よく見聞きします。果たして、本当でしょうか。調べてみたところ「暗い部屋で本を読むと、目が悪くなる」というのは、医学的に正しくないそうです。
正しくは「一つの物を、長時間近くで見続けること」が目に悪いそうで、人の目は近くにある物を見続けると毛様体という筋肉が緊張して凝り固まってしまい、その結果、目の筋力が衰えて視力が低下してしまうそうです。
そのため「暗いところで読書」をしていると、本がよく見えないため目を近づけて見てしまいがちで、「一つの物を長時間近くで見続ける状態」になってしまうため目が悪くなるのです。
おそらくこれが、暗いところで読書をすると目が悪くなるという噂の元でしょう。合っている様で、微妙に間違ってますね。また、調べていく中で知った事なのですが、逆に「明るすぎると、目が悪くなる」ということもあるそうです。
素敵なカフェやレストラン、ホテルなど、とっても落ち着く空間の共通点は「適度な暗さ」です。適度に暗い方が、緊張感がほぐれ、心は落ち着きます。
夕食を居酒屋さんやレストランで食べられる方はおられると思いますが、ゆっくりお食事をしたいときは、煌々と光の強いお店は敬遠していないでしょうか? 上質なお店ほど「暗さ」を大切にしていて、その方がとても落ち着いた時間を過ごせるからだと思います。
例えば、分かりやすいのが「STARBUCKS」です。みなさんも行ったことのある人が多いと思いますが、美味しいコーヒーを楽しむだけでなく、落ち着いて読書したり、勉強したりするのに最適です。
適度な照明の暗さによって、落ち着いた空間が演出されていて、自宅などで本を読んだり、勉強をしたりするよりも、なぜか捗るから不思議です。
自宅の照明計画を考える時には、STARBUCKSの様な雰囲気のあるお店に夜に行ってみて、どのくらいの明るさが好みかを知るのが有効です。
上質なホテルに泊まるのが一番のおすすめですが、STARBUCKSなら手軽に行ける方が多いと思いますので、ぜひお気に入りの本を一冊持って、足を運んでみてはいかがでしょうか?
最適な「照明計画」のイメージがぐんと沸きやすくなると思います。
照明を選ぶ前に、まずは必要な明るさや多灯照明のことなど、4つのルールをご紹介。
ルールを知ると、今までデザインや雰囲気でなんとなくで選んでいた部分もクリアに。
お部屋全体のイメージを作る時にとても役立ちます。
まず、自宅のお部屋のサイズを基準に、最適な明るさを知るところからはじめましょう。最適な明るさは「1畳あたり15~20W(ワット)」です。
この基準となるワット数があれば、本を読めるくらいの明るさを確保できますし、目が疲れない程度の上質な明るさ/暗さを実現できます。
広さ
8畳
15畳
20畳
明るさ
120〜160W
225〜300W
300〜400W
LD(20畳)
TOTAL 360w
60w
60w
60w
180w
(60w×3)
ONE ROOM(8畳)
TOTAL 160w
60w
100w
具体的な部屋に例えると、8畳であれば120~160W。20畳であれば300~400Wです。LDKでは、ダイニングを明るくしながらリビングを少し暗めに。ワンルームでは少し明るめのペンダントライトを主灯に取り入れて考えるのが良いでしょう。
「天井+フロア」「天井+テーブル」「天井+フロア+テーブル」など、複数の灯りを、お部屋に取り入れましょう。
「強く明るい天井の光」だけになると、部屋全体がのっぺりとした印象になり、美しくありません。お部屋に「明るいところ、暗いところ」があることで、美しい陰影とリズムが生まれ、奥行きを感じさせてくれます。
悪い例
良い例
具体的な部屋に例えると、8畳であれば120~160W。20畳であれば300~400Wです。LDでは、ダイニングを明るくしながらリビングを少し暗めに。ワンルームでは少し明るめのペンダントライトを主灯に取り入れて考えるのが良いでしょう。
一灯だと暗くなりがちな壁や窓際、コーナーも、明るく照らすことで、空間が広く感じられます。
夜は暗く、見えづらくなるディスプレイコーナーも、スポットで照明を組み込めば豊かな印象になります。
部屋を暗くしながら手元に補助灯を置くことで、落ち着いた雰囲気を楽しめます。
部屋の中の光の色味は、電球の色で変わってきます。赤い色ほどくつろぎや落ち着きを感じさせる空間に。青い色ほど爽やかさや活発さを感じさせる空間になります。
この光の色味が混ざってしまうと、空間に統一感がなく、まとまりの無い印象に。電球色、温白色、昼白色から、好みの色を選んで、色味を揃えるようにしましょう。
色味
電球色
温白色
昼白色
効果
くつろぎ
落ち着く
自然な色
くつろぎ
活発
活発
集中
爽やか
悪い例
良い例
Re:CENOでは、ナチュラルヴィンテージスタイルに合う「電球色」をおすすめしています。木製家具やリネン生地など、落ち着いたテイストのものと相性が良いのがポイント。電球色で揃えることで、ほっとくつろげる穏やかな空間に仕上がります。
Re:CENOおすすめ、温かみのある色が特徴的な電球色。リラックスした気持ちで過ごせます。
電球色よりは白く、自然の色に近い温白色。あたたかみと活発さを併せ持っています。
爽やかな光の昼白色。集中したい勉強部屋や、仕事などで正しい色を見る必要がある場合にはおすすめ。
ペンダントライトは、吊るす位置によって光の広がり方が変わります。高めに吊るすことで広範囲に広がりますが、手元は暗くなります。逆に低めに吊すことで照らせる範囲は狭くなりますが、手元は明るく照らせます。
リビングやダイニングなど、場所によって吊るすのに最適な位置が変わるので、それぞれに最適な位置を知りましょう。
190cm〜
80〜90cm
60〜80cm
悪い例
90cm
良い例
60cm
ダイニングで照明を使用する際は一般的に、天板から60cm~80cmが最適とされています。これは照明と目線の関係において、「眩しさ」を感じにくい高さの範囲と、手元の光量を確保する最適なバランスを保った距離になるからです。
リビングは人の導線を考慮して、シェードが頭に当たらない床から190cm以上がおすすめ。
ダイニングでも、小型ペンダントの場合はW数が少ないので、少し低めの50-70cmを目安に調節。
キッチンは、作業台から80-90cmが目安。視界を遮らず、お料理やキッチン作業もはかどります。
明るい光で過ごしたいダイニングや、柔らかな光で疲れを癒やしたいベッドルーム。
それぞれの場所で最適な照明や配置、ワット数があります。
エリア別の照明計画を参考にして、心地よい空間を作ってください。
ダイニングに60w×3の明るいペンダントを主灯として取り入れ、フロアライトとテーブルライトを合わせて奥行きを演出したLD。リビングは人の生き来がしやすいよう、シーリングライトを取り入れました。ダイニングがペンダントライトの分、リビングをシーリングライトにすることで、見た目もスッキリとした印象を持たせることができます。
1
2
3
1
ペンダントライト 180w
(60w×3)
2
シーリングライト 60w
3
フロアライト 60w
TOTAL
300W
テーブル幅の1/3
一般的なダイニングテーブルのサイズ、120-150cm前後の場合、照明のシェード幅は約1/3の40-50cmほどのサイズが目安。
少し高く
大きめのダイニングテーブルのサイズ、180cm前後の幅を1灯で照らす場合、ワット数の大きな照明をダイニングから離すことで全体を照らせます。
多灯で
大きめのダイニングテーブルのサイズ、180cm前後の幅を多灯で照らす場合、少し間隔を置いて低めに設置することで、全体を照らせます。
100wと少し明るめのペンダントライトを主灯に用いることで全体を照らし、ベッドサイドにフロアライトを置いて奥行きを演出したワンルーム。ペンダントライトだけの場合、壁際やコーナーが暗く、閉塞感が出てしまいがちですが、フロアライトを用いることで壁面が照らされて広く感じられます。また主灯だけの場合、スイッチをオフにすると真っ暗になっていましますが、就寝前に本を読んだりしやすく快適に過ごせます。
1
2
1
ペンダントライト 100w
2
フロアライト 60w
TOTAL
160W
60wと落ち着いた明るさのペンダントを主灯に、デスク、ソファーとそれぞれに必要な照明を配置した書斎。一見暗そうにも思えますが、ソファーで読書をする時はフロアライトが手元を照らしてくれたり、デスクで書き物をする時はテーブルライトがデスクを照らしてくれるので、強い光が無くともそれぞれの場所で快適に過ごすことができます。
1
2
3
1
ペンダントライト 60w
2
フロアライト 60w
3
テーブルライト 40w
TOTAL
160W
60wと落ち着いた明るさのペンダントを主灯に、ベッドサイドにテーブルライトを取り入れたベッドルーム。一日の疲れを癒やす場所だから、空間全体のワット数も少なめに。ベッドサイドのテーブルライトは、2台のベッドを包み込むように灯してくれるリネンシェードタイプ。少し明るめの60wですが、光が漏れて全方向に拡散する分、心地よい明るさに感じられます。
1
2
1
ペンダントライト 60w
2
フロアライト 60w
TOTAL
120W
照明と一口に言っても、お家の中にはペンダントライトやフロアライトなど、それぞれの役割に応じた照明があります。
主灯として使ったり、スポットで部分的に使ったり。照明の種類別の特徴をご紹介させていただきます。
天井から吊り下げるタイプの照明。
ダイニングや部屋の中心で、主灯として使用することが多いです。
床に置くタイプの照明。
高い位置から照らし、読書灯や間接照明として使用します。
テーブルやデスクに置くタイプの照明。
必要な場所をスポットで照らし、勉強の時や就寝前に便利です。
壁に直接取り付けるタイプの照明。
土台が無いので場所を取らず、シェルフの上などにも設置できます。
天井に直接取り付けるタイプの照明。
取り付け位置が高いので、人が通るところの使用に便利です。
ガラスは光を遮らず空間全体に光を届けます。シェードによる拡散が無いので、同じワット数で比較すると、少し暗く感じることも。電球の色や形が楽しめるのもポイントです。
布は適度な透過性があります。シェードが空いている箇所だけでなく、側面からも光が漏れるので、柔らかな印象の光と素材感を楽しめます。
紙も布と同様、適度な透過性があります。シェードが空いている箇所だけでなく、側面からも光が漏れるので、柔らかな印象の光と素材感を楽しめます。
スチールは光を完全に遮るので、シェードより上は暗くなります。光が拡散することが無い分、直接光としてダイニングテーブルの上など、強く照らしてくれます。
スマート電球とは、調光・調色ができたり、GoogleやAmazonのデバイスと連携して声で操作できたりする次世代的な照明です。専用のアプリと連携させるだけで、スマホでも明るさや色味を調整することが可能です。
就寝時は調光機能で暗くしたり、勉強するときは調色機能で白くしたり、スマート電球ならではの使用感が楽しめます。
勉強したり集中するときは青白く
リラックスするときは赤く
本を読むときは明るく
寝るときは薄暗く
アプリ上でON/OFFから調光・調色まで
複数の照明を同時に操作
1灯用の照明アダプターをダクトレールに変換するアイテム。多灯照明が楽しめるようになります。
ペンダントライトなどでコードが長い場合、余ったコードを巻き取って長さを調整できます。
照明用のアダプターはいくつかの種類があります。購入予定の照明が対応しているかを確認しましょう。
照明を使うシチュエーションを考えた時、みなさんはどのような使い方を想像しますか?
ダイニングで食事を楽しんだり、ベッドサイドで読書をしたり、人によって様々。
実際に使うシチュエーションをイメージして、暮らしに合った照明を選びましょう。
落ち着いた雰囲気を出してくれる小型のテーブルライト。
しっぽり飲みたい夜のひとときにおすすめです。
読書灯にぴったりなのが、筒状のシェードになったタイプ。
下向きのピンポイントな配光で、手元をしっかり照らします。
アームが伸び縮みするブラケットライト。
作業場所が変わっても、位置の調整ができて便利です。
ダイニングを明るく照らす場合、
ワット数の大きな電球を選べる照明がおすすめです。
コットンやリネンなどの布でできたシェードは、光が程よく漏れるので、
両側のベッドを柔らかい光で包み込みます。
キッチン上部にペンダントを取り付ける場合、
見た目も素朴な小型ペンダントを並べると豊かな印象に。
照明の魅力やポイントから、コーディネートや照明周辺の知識までご紹介。
ナレーションと映像がわかりやすく、動画を見るだけで照明選びの視野が広がります。