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【動画解説つき】ウレタン塗装とラッカー塗装、どう違う?
特徴の違いを比較解説します。

こんにちは。
商品部の関です。

唐突ですが、みなさまは家具の仕上げ塗装に
どこまで気を配られておりますでしょうか。

「木材というのは分かるけど、仕上げ塗装?」

という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

urethane_lacquer_paint_comparison.jpg

そこで今回は、特に家具の仕上げ塗装で多い、
「ウレタン塗装」と「ラッカー塗装」について、
何がどう違うか、また各々の特徴をおさらいします。

下記の動画でも触れておりますので、
今回の記事と合わせてご覧ください。

こちらを読み終えた後には、今後の家具選びの際に、
塗装の視点も含めていただければ幸いです。

それでは見ていきましょう。

ウレタン塗装とは? 特徴と使われ方

それではまず、仕上げ塗装の代表格、
ウレタン塗装について簡単にご説明します。

じっくりと読みたいという方は、
下記の深掘り記事もあわせてご覧ください。

① ウレタン塗装の特徴

urethane_lacquer_paint_comparison_1.jpg

まず、ウレタン塗装とは、現代で一番普及している
一般的な仕上げ方法で、ウレタン樹脂を塗装し、
表面に塗膜を作ります。

urethane_lacquer_paint_comparison_2.jpg
生産工場での塗装風景
分かりやすくすると、表面を樹脂で
コーティングするということです。

ウレタン塗装の塗料や厚みにもよりますが、
概ね、家庭で使用するテーブルなどの場合、
0.05~0.1mm程の厚みとなります。

urethane_lacquer_paint_comparison_5.jpg
※ラッカー塗装との比較がしやすいように、ウレタン塗装の塗装面をイメージでは厚くしております。
加工後の表面は、サラッとしていたり、
光に当てると少しツヤっと見えたりします。

リセノで使用しているウレタン塗装は、
艶消し/導管開きというマットな仕上がりに
なるよう調整して、製造しています。

そうすることで、ウレタン塗装ながら輝度を抑え、
ウレタン塗装独特のテカテカとした仕上げにせず、
木肌を感じられる、落ち着いた質感に仕上げています。

② ウレタン塗装のメリット・デメリット

さて、仕上げ塗装には各々一長一短があり、
ウレタン塗装のメリット・デメリットについてです。

メリット:取り扱いやお手入れが簡単

urethane_lacquer_paint_comparison_3.jpg

ウレタン塗装のメリットは、
なんといってもお手入れが簡単という事です。

表面をコーティングしているので、
特に水気の汚れなどが木部に染み込みにくく、
基本的には拭くだけで汚れを落とすことができます。

また、頑丈で少し高価にもなる無垢材の場合、
特にダイニングテーブルの天板など、
お部屋の使用環境により反ったりする場合があります。

湿度や温度の変化による「調湿作用」
木材が膨張・収縮を繰り返すことで起こるのですが、
表面の塗膜がある事で、多少反りにくくもなります。

urethane_lacquer_paint_comparison_4.jpg

過度な乾燥によるひび割れなどにも、
同様に効果があります。

(反らない・割れが起きないという訳では
 ありませんので、ご注意ください!)

デメリット:大きな傷などの補修が難しい

urethane_lacquer_paint_comparison_11.jpg
※画像はイメージとなります。
日頃のお手入れも簡単で、反り防止にも効果があり、
一見デメリットが無いようにも見えますが、
デメリットもあります。

ウレタン塗装のデメリットは、
傷などが付いてしまった場合、
元に戻すことが非常に難しいという点です。

日頃のお手入れは簡単ですが、例えば、

  • 凹凸感の出る過度な傷をつけてしまった

などの場合、塗膜があるがゆえに、
部分的な修理が難しくなります。

部分的にと記載したのは、ウレタン塗装の修理の場合、
一度表面などの塗装を全て剥がし、
修理してから再塗装するという工程が必要だからです。

修理費用も高額になりかねないので、こうなれば、
買い替えるタイミングと言ってもいいでしょう。

③ ウレタン塗装のお手入れと注意点

ウレタン塗装の基本的なお手入れ方法は、乾拭き、
または薄めた中性洗剤で拭く方法です。

下記にお手入れ方法について詳しく触れている
動画がありますので、そちらをご参考ください。

ラッカー塗装とは? 特徴と使われ方

続いては、ラッカー塗装について
特徴や使われ方をご説明していきます。

① ラッカー塗装の特徴

urethane_lacquer_paint_comparison_6.jpg

ラッカー塗装は、ウレタン塗装が普及するまでは、
比較的一般的な塗装方法でした。

ラッカー塗装は、先ほどのウレタン塗装同様、
表面に塗料を塗装して施される方法です。

主に使われることが多い物で言えば、
ギターなどの仕上げによく使われます。

urethane_lacquer_paint_comparison_7.jpg

ラッカー塗装は、ウレタン塗装に比べ塗膜が薄く、
一概には言えませんが、0.4~0.5mm程。

そのため、木材表面の木肌などを、
より感じやすくなります。

一度塗装するだけではなく、
下塗り・中塗り・着色・上塗りというように、
何回も塗装して先ほどの厚みになります。

一言でいえば、ウレタン塗装より塗膜が薄い
コーティングと理解いただければと思います。

② ラッカー塗装のメリット・デメリット

ラッカー塗装にも、メリット・デメリットがあります。

メリット:木の質感を感じやすい

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ラッカー塗装のメリットは、薄い塗膜ですので、
木部の木肌をウレタン塗装より感じやすくなります。

また、塗装によるコーティングは施されているので、
木の風合いを損ねず、お手入れも簡単化できます。

アンティークの家具などによく使用され、
塗膜が厚く経年変化しにくいウレタン塗装に比べ、
使用する中で、木材の経年変化も楽しめます。

デメリット:耐久性に少し注意が必要

そして、デメリットですが、塗膜が薄いため、
水分や熱にはあまり強くありません。

「それでも表面はコーティングされてるのでは?」

となりそうですが、コーティングの層が薄く、
細かな隙間などから水分などが入り込み、
白化や輪ジミなどが発生する場合があります。

urethane_lacquer_paint_comparison_8.jpg

万が一こうなってしまった場合は、
下記の方法で補修できる場合がありますので、
ご参考にしてみてください。

③ ラッカー塗装のお手入れと注意点

下記に、ラッカー塗装のお手入れ方法について
詳しく触れている動画がありますので、
そちらをご参考ください。

各塗装の特徴一覧

さて、ウレタン塗装・ラッカー塗装の違いについて
ここまでご説明してきました。

最後にまとめとして、各々の塗装の特徴などを
簡単に一覧化しておきます。

内容ウレタン塗装ラッカー塗装
お手入れ基本は拭き掃除のみ基本は拭き掃除のみ
耐水性強め中程度
耐熱性高温の場合注意が必要注意が必要
耐汚性強め中程度
対候性比較的安定(変化が少ない)過度な温度変化には注意が必要
修理性大きな傷などが付くと補修が困難軽微であれば補修可能
向いている場所・場面水気や使用頻度が高いダイニングなど、
汎用性が高い場所
環境の影響が少なく、特に触れ心地などを
大事にしたい場所(チェアーなど)

それぞれの違いを理解して、
暮らしにあった塗装方法を選びましょう。

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ウレタン塗装とラッカー塗装の違い、
いかがでしたでしょうか。

塗装方法は、今回以外の種類もありますが、
まずは一般的なこちらを把握いただきたく思います。

どちらも塗装による塗膜タイプですが、
各々での違いがあり、場所や用途に応じて塗装方法も
家具選びのポイントに加えていただけると幸いです。

  • ウレタン塗装とラッカー塗装、どちらも家具を守る仕上げ塗装ですが、
    「強さ」と「風合い」のバランスが異なる。
  • 大きな違いは、塗膜の厚さ。
  • 使う場所・ライフスタイル・好みで選ぶのが最適。
  • 可能な限り、展示品を実際に触って質感を確かめるのがおすすめ。

長く家具をきれいな状態で扱い続けるには、
家具の特徴も把握しておく必要があります。

どんな仕上げ方法で、どんな特徴があるのか。

それを把握しておくだけでも、日頃の取扱い方法や、
何かあった際に、すごく焦る必要もなくなります。

人間と同じで、家具のプロフィールを知り、
長く生活を共に過ごしていただければ嬉しいです。

どちらの塗装にも使えるメンテナンスアイテムも
ございますので、お困りの際には、
下記の動画と合わせてご参考ください。

メンテナンスアイテム一覧

それでは、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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