【好きもの工房】天然素材を使った、
本格的な「金継ぎ」に挑戦!
こんにちは。なかはらです。
食器が好きで、ブランドなどに関わらず
気になったものを日々ちょこちょこと
買い集めております。
不思議なことに、お気に入りほど
割れたり欠けたりしてしまうんですよね。
ひどい時は、気に入って買った直後に
店の前で落として割れたことも...。
安いものばかりですが、
捨てるのはもったいないので、
何年も大事に保管しておりました。
そして何年も前からやってみたかった
金継ぎで直そうかと。
金継ぎにも種類がありまして、
簡易的ですぐにできるものと、
本物の漆(うるし)を使って
何日もかけて修復する方法です。
やるならやっぱり本物を!
ということで、今回は本格的な
金継ぎに挑戦します♪
使用する道具をご紹介します。
今回購入したのがこちらの金継ぎセット。
色々と探した中で、パッケージが
とても素敵で、内容も充実していたので、
一番やる気が出ました♪
中身はこんな感じ。
ひとつひとつ丁寧にパッケージされていて、
テンションが上りますね!
内容を一部ご紹介すると、金粉、小麦粉、
油など聞き馴染みのものから、
生漆、弁柄、砥の粉、など
触れたことのないものまで、様々。
どれをどう使うかは、
手順を追ってご説明します。
漆で作った接着剤を使って、破片を合わせます。
早速作業を進めていきましょう!
手元ばかりの地味な写真が続きますが、
飽きずに最後までよろしくお願いします!
まず、#400の紙やすりで割れた
部分を荒します。
次に、金継ぎに欠かせない
「生漆(きうるし)」を使います。
やすった箇所に「生漆」を筆で塗ります。
余分な漆はティッシュで抑え拭きします。
「小麦粉」と「生漆」を使って
接着剤となる「麦漆」を作ります。
1:1の割合でガラス板の上に出し、
「小麦粉」に「生漆」を加えながらよく練り、
艶のあるガムのようになったら
「麦漆」の完成です。
割れた部分にヘラや爪楊枝を使って
「麦漆」を塗っていきます。
接着した時にはみ出るくらい
たっぷりと付けましょう。
破片を合わせて、マスキングテープで
固定します。
ここでずれたまま固定してしまうと
修正がきかなくなってしまいますので、
慎重に合わせていきます。
そして2~3週間乾燥させます。
塗り、削りを繰り返し、継ぎ目を整えます。
3週間が経って、しっかりと固まりました。
長い長い3週間でした...。
写真のように、「麦漆」がはみ出ているので、
これから整えてきます。
はみ出た「麦漆」をカッターや
刻刀で削ります。
削り終わったら、「錆(さび)」を作ります。
「錆」には小さな欠けを
埋める役割があります。
「砥の粉」「生漆」「水」を用意。
ガラス板の上に「砥の粉」を出し、
スポイドで水を加え、ヘラで練ります。
少し硬めの歯磨き粉くらいが
ちょうど良い状態です。
その横に「生漆」を同じ分量出します。
水で練った「砥の粉」に「生漆」を
3回に分けて加え、よく練れば
「錆」の完成です。
「錆」ができたら、継ぎ目に塗っていきます。
継ぎ目の両側にマスキングテープを貼って、
広くはみ出さないようにします。
あとで思ったのですが、
もっとギリギリにマスキングした方が
後処理がスムーズに行きそう...。
できるだけギリギリに
貼るのがおすすめです!
ヘラや爪楊枝を使って、継ぎ目に
「錆」を入れていきます。
「錆」を塗り終えたら、
まる1日以上乾燥させましょう。
「錆」がしっかり乾いたら、
カッターや彫刻刀で削ります。
削り終わったら、#800の紙やすりに
水をつけながら、表面を滑らかに研ぎます。
次に、「弁柄」と「生漆」を使って、
「弁柄漆(べんがらうるし)」を作ります。
これを「錆」の上に塗ることで、
防水性を出していきます。
「弁柄」と「生漆」を1:1の割合で
ガラス板に出し、10分くらい
よく練ると「弁柄漆」の完成です。
「錆」を塗った継ぎ目をなぞるように、
「弁柄漆」を塗っていきます。
「弁柄漆」が乾いたら、#1500の紙やすりに
水をつけながら研いでいきます。
いよいよ、お待ちかねの「金蒔き」です!
いよいよクライマックス!
「金蒔き」の作業に入っていきます。
もう一度「弁柄漆」を作り、
継ぎ目に今度はうっすら塗ります。
この塗りが金粉の接着剤になり、
金の形が決まってくるので、
慎重に塗っていきましょう!
「真綿」と「金消し粉」を用意します。
「弁柄漆」が少し乾いてきたら、
「真綿」に「金消し粉」を含ませて、
「弁柄漆」の上をくるくると撫でます。
「金消し粉」がついたら、
「真綿」でやさしく磨けば、
ついに完成です!
お疲れさまでした!
金継ぎをすることで、割れた食器がさらに素敵に。
天然素材を使った本格的な金継ぎ、
いかがでしたか?
時間がかかるので大変でしたが、
変幻自在の漆の面白さを知りました。
本物の漆を使ったものにしたのは、
本格的なことをやりたかったのはありますが、
食器で口に入る可能性があるので、
天然素材を使った方法を選びました。
なかなか根気と集中力のいる作業でしたが、
その分割れた食器に愛着が出ますよ♪
みなさんもぜひ挑戦してみてくださいね!
ではまた次回。