【ほんとうの、美味しいって?】夏の正解。鮎の炊き込みご飯
夏の定番料理って何が思いつきますか?
冷やし中華、うなぎ、とうもろこしご飯、
カレー、そうめん。
いろいろあると思いますが、僕が思う
夏らしさを最大限に詰め込んだ料理は、
今回ご紹介する「鮎のご飯」です。
鮎の匂いは、夏の匂い。
まず、夏らしいとは何か?ってことなんですが、
「夏らしさ」を表現する上で
「匂い」はかなり重要な要素です。
じゃあ夏の匂いって何かというと、
人それぞれです...。
とりあえず、僕は山育ちなので
山バージョンで話を進めさせてもらうと、
清流のフレッシュな水の匂いとか、
山の青い匂いだとか、
炭火の香ばしい匂いだったりとか、
そんな要素が合わさると、夏だなと感じる訳です。
そして、この全要素が揃っている食材。
それが「鮎」です。
鮎が持っている特有の青い香りは、
他の淡水魚にはない香りです。
では、作ってみましょう。
そんな鮎を使った、鮎ご飯。
まず、鮎は塩焼きに。
炭火で焼けたら最高ですが、魚焼きグリルで
しっかりと焼き目がつくまで焼きましょう。
この皮が焦げた感じが、夏の香りの一部になります。
鮎が焼けたら、骨と身を分けます。
「焼いた鮎をそのまま一緒に炊いて、
炊けたら身をほぐす」というやり方もありますが、
それだと身が水分を含んでベッタリするので、
僕は「骨は一緒に炊いて、ほぐした身は後から入れる」
というやり方で炊きます。
そうすると、鮎の味は米に染み込み、身は芳ばしく
ふっくらしたまま食べらる、という訳です。
これだけでも十分美味しいですが、
できれば、実山椒とクレソンを加えたい。
クレソンも天然のものは
川辺に生息しているので、川属性。
実山椒は日本の山に生息しているので、
鮎の雰囲気を盛り上げてくれます。
そして(徹底的にいきます)、
この鮎ご飯に合わせたい汁物が「胡瓜のおすまし」。
お椀にスライスした胡瓜、たたいた梅肉、大葉をいれ、
一番出汁に塩と醤油で味を整えたものを注ぐ。
冷たくても温かくてもどちらでもいいんですが、
この汁物と合わせると、胡瓜の青みで
さらに夏要素が足され
それはもう「夏を味わっている」
としか言いようがありません。
材料(5人分、調理時間1時間)
- 白米 2合
- 鮎 4尾
- 塩 4g
- 水 350cc
- 酒 大さじ1
- 昆布 ひときれ
- 実山椒 適量
- クレソン 1パック
作り方
1.米を洗い、たっぷりの水で30分〜1時間ほど
米が白くなるまで浸水させ、
ザルにあげて水気を切る。
2.鮎は内臓を取り出し、
たっぷりの塩をふり(分量外)、
30分ほど置いておく。
その後、流水でよく洗い水気を切る。
3.鮎を魚焼きグリルで
焼き目がつくまで焼き、粗熱が取れたら、
骨と身を手でほぐしながら分ける。
4.土鍋に、1の米、水350cc、
塩、酒、昆布、3の骨と頭を入れる。
5.蓋をして強火にかけ、
吹きこぼれてきたら、弱火にして10分加熱。
その後、火をとめそのまま10分蒸らす。
6.骨と昆布を取り出して、ほぐした鮎を加える。
身を潰さないようにさっくりと混ぜわせたら、
刻んだ実山椒、3cm幅にカットした
クレソンを乗せる。
少し大きめの土鍋で炊いて、
テーブルに置けば堂々たるパーティー料理になるので、
夏の定番料理としてぜひ覚えておいてほしい一品です。
みんなで夏を囲みましょう。
それでは、また。