【まるく、暮らす。】
暮らしの中に詰まった、思い出たちと。
仕事中、ふと顔を上げると
目に入る深い青色の鳥。
ああ、可愛い。やっぱり買って
よかったなーと頬がゆるむ。
出会いは確か、京都の蚤の市。
出勤前だったので、ばたばたと、
急足で見て回っていました。
すると、目に入ったのは、
出店準備中の見慣れたお姉さん。
そして、この青い鳥。
私は吸い込まれるようにお店に向かい
手にとっていました。
それを見たお店のお姉さんが、
可愛いですよね、と
話しかけてくださいました。
「スウェーデンで見つけた、鳥笛なんです。
吹けるかは分からないんですけどね。笑」
ほんとだ、オカリナについているような
小さな穴がある。
こんな可愛い鳥笛、
どんな人が作ったんだろう。
色も深みがあって、素敵。
鳥の形も柔らかくて可愛いなあ。
と私の胸の内は弾みます。
お値段を聞いてみると、その当時の
私にとっては勇気のいる価格でしたが、
どうしても諦めきれず
一周回ってお店に戻ったんですよね。
帰宅し、鳥笛を吹いてみると
「スーッ、スーッ」と空気の音が。
全く鳴らすことができなかったのも
いい思い出です。
青い鳥との出会いは、そんな感じでした。
そういえば、あのお姉さん元気かな。
あの時、買う決断ができて良かったなあ。
と、色々と思い出してきて、
心がじわ~っと満たされます。
不思議なもので、昨日食べた晩ご飯は
イマイチ覚えてないのに、
その時、雪が降っていたこととか、
どんな会話をしたかとか、
鮮明に思い出せるんですよね。
心に残っている記憶は、
ふとした時に、心を温めてくれる。
そんな物との思い出に浸るとき
幸せだなーと思います。
青い鳥のような古いものや、
誰かが使っていたであろうものに
ついつい、惹かれる理由。
どこかの誰かが、
大切にしてきたものを受け継ぎ、
今度は自分が大切にしてくということ。
そんなの、事実か分かんないじゃんと
言ってしまえば、そうなのだけれども。
自由に、見えないものに
思いを馳せるロマンを
心の中に少し持っていても、
いいんじゃないかと思ったりするんです。
そんなことが、古いものに惹かれる理由。
昔は、素敵なお部屋にしなきゃ!と思って
変に焦ることがありました。
でも、そんな時に
間に合わせで買ったものは、
やっぱりすぐに飽きがきてしまいます。
私が大切にできるもの、
お部屋に迎えたいものって...?
そう考えた時に、インテリアを
好きだな~と感じる要素のひとつは
「物への愛着」なのかなと気づきました。
出会いがあり、
自分と物の思い出が生まれ、
さらには、その物の過去に
ロマンを感じる。
それらが愛着に変わり、積み重なって
確かなものになっていく。
例えるなら、一緒にいるとホッとできる
長年の友人たちのよう。
インテリアは、誰かの真似をしてみたり
ノウハウをもとに組み立てると、
より楽しく、上手になります。
でも、それに沿っていなくても、
自分がいいと思ったものを
信じてみるのも大切なのかも。
「好きなものを集めてたら、
自分らしくなっていった。」
インテリアを楽しむ先輩が言った言葉を
ふと、思い出します。
物との思い出を重ねながら、自分らしい
お部屋づくりを楽しみたいと思います。