【くちぶえエッセイ】専業主婦を卒業した
40歳の春
長い長い冬が終わって、
春が来ました。
春の嵐に吹かれながらも、
なんとか踏ん張っている
たくさんの桜たち。
新生活が始まり、
街はフレッシュな人たちで
活気付いています。
体に馴染んだランドセル、
履き慣れた靴、
くったりとした帽子。
この春、娘は2年生になりました。
登校班の1年生を見ていると、
こんなに初々しい時期があったのかと、
なんだか懐かしい気持ちに。
成長の喜びと同時に、
ちょっぴり寂しくもあり...。
そろそろ朝のお見送りも
終わりかな?
私はといえば、春から社会人に。
自分のスキルを活かせる仕事に
就くことができました。
久しぶりの社会と慣れない職場に、
ドキドキとワクワクでいっぱい。
専業主婦の卒業と、
40歳を超えてからの挑戦が
スタートしました。
娘の成長と、家庭の環境の変化を
見据えたのもありますが、
一度きりの人生、
やりたい事をやらねば!
不安もあるけれど、
今の私は夢と希望で満ちています。
「100年時代」と考えると、
まだ折り返しではないのですが、
元気に動き回れるのって
限界があると思うんですよね。
そう考えると、
もう人生折り返していると
思っておいた方がいい気がしています。
今やるべきこと、
できることってなんだろう?
今しかない娘の姿。
これは目に、心に、
しっかりと焼き付けておきたい。
できるだけたくさんしゃべって、
たくさん遊んで、
一緒にたくさんの時間を過ごす。
それは十分やってきたのだけれど、
まだまだ足りない気がしています。
でも、子どもの成長を考えると、
ずっと一緒にいるわけにはいかないし、
そろそろ独り立ちに向けての
準備をしていかないと。
うーん、複雑なお年頃です...。
あとは、離れた両親との時間。
子どもの成長スピードに驚くと同時に、
自分も同じだけ年を取り、
もちろんそれは両親も同じこと。
まだまだ元気に暮らしていますが、
ふと心配になることもあります。
でも娘のおかげで、
家族との繋がりは
より濃くなったと感じます。
家は遠くなってしまったけれど、
イベントがある度に
こまめなやり取りが増えました。
こういうことを当たり前と思わず、
ありがたい時間だと思って
大切にしていかないとな〜と。
「生まれた瞬間から、ゆっくりと死んでゆく」
そんな歌詞をふと思い出しました。
軽快なリズムなんだけど、
この曲を聴くたびにこのフレーズが
耳に飛び込んできて、
いつもドキッとさせられます。
と同時に、焦りなんかもあったりして。
主人は最近、ラジコンを始めました。
それにつられて、娘も誕生日に
ラジコンが欲しいと言い出し、
かっこいいのをゲット。
この日は外に持ち出して、
思う存分走らせていました。
そんな二人を見ていると、
気楽に、気の向くままに、
やりたいことをやるのがいいのかな?
なんて思えてきます。
何かが始まれば、何かが終わる。
でも、また何かが始まるんですよね。
自然の流れに任せていても、
きっとそうなるものなんだろうけれど、
そこは自分で決めていきたい。
思うがままに、やりたい事を。
スタートの季節に、
散りゆく儚い花びらを眺めながら、
決意を固めたのでした。