【くちぶえエッセイ】夏の終焉と
娘の成長日記
この家に引っ越してきてから、
夏も悪くないなー、なんて
感じられるようになりました。
都会の暑さとは違う、自然に囲まれた
この場所で迎えるこの季節は、
どこか懐かしくて、新鮮。
ここで2回目の夏を迎える娘も、
その変化を感じながら、
少しずつ大きくなっています。
娘と主人は日焼けして、
すっかり真っ黒に。
肌を見せながら笑い合う二人の姿に、
夏の温かさを感じました。
毎年こんがり焼ける我が家ですが、
今年が一番黒くなったように思います。
キャンプに公園、
庭でプールにお祭り...。
肌の色が、楽しかった
ひとときを表しています。
9月に入り、まだ残暑が続くものの、
夏の終わりが少しずつ見えてきました。
苦手だった暑い季節も、終わると思うと
少し寂しいものですね。
庭のスモークツリーが、
今季で驚くほど大きく成長していて、
その変化が季節の移ろいを教えてくれます。
ラジオからは夏の終わりを
テーマにした音楽が流れ始め、
完熟の梨が朝食のテーブルに並ぶ
季節になりました。
「食べるジュースみたい!」
甘くてみずみずしいのが嬉しくて、
口の中は梨でいっぱい。
ほとんど一人で食べちゃいました。
家庭菜園で育てた夏野菜の収穫も、
そろそろ終わりが近づいています。
今年もたくさんの野菜が採れました。
娘と一緒に野菜を収穫し、
それを使って料理するのが
毎年の恒例行事。
新鮮な食材で作る料理は、
格別の味わいです。
娘は最近、お友達とのことで
色々と考えることもあるそうで。
「◯◯ちゃんとは、最近遊んでないの」
あんなに仲が良かったのに、
どうしちゃったんだろう?
お互い成長していく中で、今まで許せていた
部分がそうでなくなったり、
他に気の合うお友達が出来たり...。
子どもの世界も大変だなと思いつつ、
彼女が少しずつ社会を学び、
大人への階段を登っているのを感じます。
「人間関係は、今のうちから
経験しとくのがいいよ〜」
「ふ〜ん」
と、あまりピンときていないようで、
不思議そうにこちらを覗き込みます。
「大人になったら、もっといろいろあるよ〜」
そう言いかけて、飲み込みました。
今はまだ、自分のペースで成長する
彼女の姿を見守りたいと
思ったからかもしれません。
自分で経験して、自分で学んで、
自分で考えて行動する。
それが一番成長に
繋がるんだと思います。
長く長く伸びたスモークツリーの下で、
真っ黒になった娘を見ながら、ふと思います。
夏は好きではなかったけれど、
この家で過ごすうちに、
少しずつ夏が好きになってきたかも。
娘の成長とともに、私自身も少しずつ
変わってきたのかもしれません。
夏の終わりは少し寂しいけれど、
来年、さらに成長した娘と過ごすこの季節が
今から楽しみです。
季節が巡る中で、またひとつ大人びた娘に
出会える日を心待ちにしています。