【 晴れのち、キッチン 】
家族をつなぐ、わんぱく犬
3人兄弟の真ん中に生まれた私は
自分でも思うくらいマイペース。
何かの本で読んだけれど、
真ん中っ子の性質は
「自由人」らしい。
それもあってか、どうやら私には
ひとり暮らしが向いているようで、
寂しいと思うこともほとんどなく
毎日をのびのびと楽しんでいます。
そんな自由人が実家へ帰るのは、
愛犬に会いたくなったとき。
これを言うと「たまには家族に
会いたくて帰ってきてよー!笑」と、
母は言うのだけれど。
(家族に会いたいときもあります^^)
梅雨がやってくる少し前。
例のごとく愛犬に会いたくなったので
散歩にでも行こうよと、弟を誘いました。
私の弟も実家を出て暮らしているので
タイミングによっては
なかなか会えない期間があって。
散歩ついでに、久しぶりに
会おうかなと考えたのでした。
待ち合わせは、午後2時。
お腹もすくだろうし、作ってみたかった
「わんぱくサンド」を作りました。
具材たっぷりで、たしかに
「わんぱく」という言葉がよく似合う。
トロ~ッと半熟のゆでたまごと、
透き通るような春キャベツ。
隠し味は、ピリリと粒マスタード。
外は思っていたより気温が高くて
梅雨より先に、夏が
きてしまうんじゃないかと思うくらい。
半袖で来ればよかったな~と
ちょっぴり後悔しながら、
弟と、もうひとり(1匹)の弟と
合流しました。
愛犬の名前は「アポロ」。
ウェルッシュコーギーの男の子です。
見ると思わずつられてしまう、
へらっという笑い方がすき。
都合の悪い言葉には聞こえないふりをするのに
「おやつ」「さんぽ」「たべる?」という言葉には
どんなに小さな声でも振り向く。
「日本語わかってるよね?」と
冗談で話しかけると、へらっと笑う。
子犬のころからとにかく元気で、
この日は首輪から抜け出す
相変わらずのやんちゃっぷり。
だけど、おやつにつられて
すぐに捕まっていました。
そろそろ休憩。
外で見るサンドイッチは、
陽射しがたっぷりあたって
より色鮮やかです。
「うまい!」と、口いっぱいに頬張る弟と
他愛のない話をします。
実家にいたとき、
犬を飼いはじめて気づいたのは
家族の会話が増えたこと。
「今日こんなことしてたで~」とか
「かわいい写真とれたから見て!」とか。
一緒に夜の散歩に行けば、
家ではあまり話さないことを
ぽつぽつ話したり。
それは、実家を出た今もそのままで。
母から送られてくるアポロの写真は、
家族が連絡を取り合うきっかけに
なっています。
そして、別々の場所で暮らす私たち兄弟が
たまに会う理由のひとつ。
すこし大袈裟かもしれないけど、
ペットは家族をつないでくれる
架け橋のような存在なんだと思います。
帰り道でも、元気いっぱい。
まだまだ遊び足りなさそうだし、
今日は実家でゆっくりしていこうかな。
「また一緒に散歩行こ~」と言うと
弟が返事をするより先に、
アポロが振り返って、へらっと笑った。
やっぱり日本語分かってるよなあと思いつつ
私も、へらっと笑い返した。