【 悠々、閑々。】心ほどける、わたしの家
こんにちは。リセノスタッフのやまもとです。
エッセイを書かせていただくことになり
すこしドキドキしているのですが
今回は、まず自己紹介を。
生まれは、京都の住宅街。
4兄妹の賑やかな家庭で育ちました。
小さな平屋に、家族は7人。
昔から「自分の部屋」というものに
ものすごく憧れがありました。
いつかわたしも、
好きなものに囲まれて暮らしたい...
そんな憧れもあってか、大学卒業後は
インテリア業界でお仕事を始めました。
お客様にインテリアを提案しながらも
その楽しさを実感する毎日。
最近、ようやく一人暮らしになったので
念願の「自分だけの部屋」に
少しずつ自分の「好き」を集めて楽しんでいます。
生まれは住宅街、とお話しましたが
実家には大きな庭があります。
祖父が家を建てて、60年あまり。
庭の木々たちは
お日さまと恵みの雨に育まれて
ぐんぐん、力強く、上へ、上へ....
まるで深い森のごとく
小さな平屋の屋根よりも大きくなりました。
まだ幼い頃、仲良くなりたての友達に
「人が住んでいると思わなかった!」と
言われたことを思い出します。
築60年の家の趣もあいまって、
あの子には我が家が
得体の知れないお化け屋敷のように
映っていたのかもしれません。
住まいがお化け屋敷に間違われるとは
なかなかショッキングな出来事...!
たしかに、年季の入ったタイルの壁や瓦の屋根は
崩れかかっていたり、色褪せていたり...
だけど、その不格好さが
なんだか年々愛おしく感じるように。
仕事で行き詰まったり、「もうだめだ!」と
1人でふさぎ込んでしまう(叫びそうな?)ときは
ふらっと、この家へ帰ることもしばしば。
緑の中、のんびりご飯を食べて
ぼんやり過ごしていると
「まぁ、なんとかなるか~」と
固くなった心がほどけていきます。
それから、母が淹れてくれるお茶も
癒しのひとつ。
朝起きたとき、ご飯のあと、おやつの時間。
煎茶や紅茶...その日の気分に合わせた
お茶を飲みながら、たわいのない話を。
自然と会話も優しくなるのは、お茶の力でしょうか。
体の芯から、心までじんわりと温まっていきます。
母が食器好きということもあって
実家の棚には、たくさんの茶器が。
正直、ちょっと多すぎでは、とも思いますが
「好きなんだから仕方ないじゃないの〜」
とのことで。笑
好きなものは心を満たしてくれますもんね。
先日、そんな実家から
普段使いの古い茶器を持ち帰りました。
目まぐるしい毎日を過ごしていると
いつの間にか、ゆったりとした時間や気持ちを
忘れてしまうこともあります。
そんな時には、ほっと一息ついて。
母がしてくれたように、わたしも誰かに
やさしい時間をお裾分けしながら
暮らしていきたいなぁと思っています。
これから、どうぞよろしくお願いいたします◎