【 悠々、閑々。】うららかな日和と、装いと。
あたたかな春の陽気。
週末になると決まって雨が降るものだから
朝起きては、がっかりすることが多かったけれど
きょうは柔らかな日差しが心地よい。
寒さで縮こまっていた体を、ぐんとひと伸び。
はぁ、なんてうららかなんだろう。
ベランダでの日向ぼっこが
気持ちのよい季節になってきました。
ひさしぶりに実家に遊びに行くと
母が手作りのいちご大福に、お抹茶を点ててくれて。
甘いのと苦いのと。美味しいんですよねぇ、ほんと...!
あたたかな庭先では、わが家の猫が
わたしと同じように日向ぼっこを満喫しています。
(全身砂だらけですが...笑)
そんな春の陽気、街を歩くと
赤や青、黄色にみどり...色とりどりの
振袖や袴を着た人が目に留まります。
そういえば、大学の卒業式は
父が選んでくれた成人式の振袖を着たんだっけ。
どんな髪型にするか、あぁでもないこうでもないと
毎日悩んでいたことを思い出したりして。
(もう10年ほど前ということに驚きです。笑)
幼い頃や学生の頃とは違うけれど
春のわくわく、そわそわする気持ちは
いくつになっても変わらないものですね。
そんな思い出話もあいまって、
きょうは母に着物を出してもらいました。
明るく春らしい色に、気持ちが軽やかになる。
新しいものばかりではなく
いただきものも多い四季折々の装いたち。
「おばぁちゃんが若い頃着ていたもので」
「いとこのおばちゃんの嫁入り道具でね」
と、いろんな話を聞いていると
だれかの思い出までいっしょに体験しているような
懐かしく、あたたかな気持ちになっていく。
受け継ぐなんてたいそうなことじゃなくても
古いものの魅力は、
そういうところにあるのかもしれません。
そして、せっかくだから、と出かけた白川沿い。
きのう夜更けまで、ざんざんと降っていた
催花雨(さいかう)のおかげか
まだまだ蕾だった桜も花を咲かせていました。
きゅっと締めた帯で、
背筋がしゃんと伸びて気持ちがよい。
母に教わった着付けは、まだまだ上手ではないけれど
もしいつか自分にも娘や孫ができたら
教えてあげたいなぁなんて思っています。
しんと静まっていた街も、うららかな日和に
すこしずつ賑やかさを取り戻していて。
きっと来週の今頃には、この通りの桜も満開を迎えます。