【食べるしゃべる眠る。】第一話|ぼくと妻と娘のとある朝
はじめまして。
京都で教育機関の職員をしている42 歳の男、
AKIPIN(あきぴん)と申します。
ええ歳して、いきなりそんな名前と申されても...
と、自分でも思いますが、
この名前で数年前からInstagramをやっています。
▲Instagram @akipinnote
妻のごはんを中心とした日常の光景を
写真に撮って、投稿しています。
結婚18年になる妻と、小3の娘との、三人暮らし。
似ていても同じじゃない、一生で一度だけの光景を
写真に残したいなぁと思っています。
そして。
交わした会話や、湧き上がった思いも、
繰り返しのようで、一生に一度だけ。
執筆の機会をいただいたこの場に、
ぼくの愛すべき日常を、
言葉でも残してみたいと思いました。
ぼくと妻と娘のとある朝
妻:着替え進んでるー?
とある朝6時、リビング。
台所の奥の見えないところから、娘に声を投げる妻。
半目でタンスの前にへたりこんでいる、パジャマ姿の娘。
迅速に、世界的ブランドの5本指ソックスに
足を通してゆくぼく。
6時に3人同じ部屋で起きて、
7時過ぎに娘とぼくとで家を出るまで、
もたもたしている暇はない。
妻は台所で。ぼくと娘は身じたくを。
みんなで朝ごはんを食べるために。
ぼく:進んでるよーーー
代わりに答えたぼくと娘の目が合って、
ぼくは2つめの「ー」から目を見開く。
ハッ!とようやく動き出し、
シュパーン!と超高速で着替えてゆく娘。
娘にうまくシグナルを送り、妻の機嫌も保った
スマートな自分を噛みしめながら、
5本指ソックスの計10本指にようやく指を
入れ終えるぼく。
それから、世界的ブランドの世界的ステテコが
見当たらないぼく。
ぼく:ステテコがないーーユニクロの
妻:あるはずー
ぼく:あったわ!
基本、ぼくの準備がいちばん遅い。
ぼく、妻、娘:いーたーだーきーます!
前の晩の10時くらいから、ぼくはいつも待っている。
自然光を。
パンの匂いを。
妻:傘いちおう持っていきや
娘:かさい?
ぼく:すももおいし!
娘:ああ 火災 かとおもった
妻:降るかもしれんし
娘:うん
妻:おいしいよな
いつものふつうの食卓を。
妻:では家庭科の問題、牛乳に多く含まれるのは?
娘:ムキシツ!
妻:パンには?
ぼく:無機質って、実際にはほとんど言わへんよなあ
娘:タンスイカブツ!
妻:正解ー
健康のために無機質を摂りましょう!
とか言わへんな
家族で食べて、しゃべって、眠る。
ぼくの人生の目的だと本気で思う。
とある夜10時、寝室。
半目の娘の太ももを妻がさすっている。
娘:きもちいー
ぼく:はは 幸せやな、一日の終わりに
お母さんにさわってもらって
妻:お母さんも幸せやで。こうやってさわれて
ぼく:じゃ、三人とも幸せなんやな
娘:すぅ
そんなこんなで、夜は更けていった。