【食べるしゃべる眠る。】第三話|ぼくと妻との家計の関係
妻:2000円ずつカンパでいい?
ぼく:わかった
ぼくがサラリーマンとして働き、
妻が小さなピアノ教室を営み、
娘が小学3年生をしているわが家。
月々の家計管理と日々の"食"を担ってくれている妻に
ぼくは「新鮮で、自然で、丁寧に作られた
食べ物にお金を使おう」と伝えている。
妻も賛成で日々丁寧にごはんを作ってくれて、
家族みんなでの「おいしい!」が何よりの
レジャーであり生きがいだと、夫婦で確信している。
と、カッコツケるのは簡単だが、
娘の習い事費用や物価高に直面する近年、
カッコツケに見合った食予算を確保するのは大変で、
食べたい食材を日常的に買うと、
シンプルに予算オーバーな月がある。
わりとある。
にもかかわらず、
妻:今日の夜...あそこのスパゲッティ、食べたくない?
ぼく:おお、しいて言うなら......めっちゃ食べたい
妻:行こ
夫:行こ!
食予算が残ってないのに、外食にゆく。
貪欲にゆく。
勢いでゆく。
その資金はどこから出るのか?
解決するシーンが、冒頭の会話である。
「カンパ」。
外食費を補うため、
各自の小遣いからいくらか持ち寄る。
それがわが家の「カンパ」。
「小遣い制」のわが家で、小遣いは各自が
自分の好きなこと、趣味などに使える個人予算。
以前は、家族での外食費は家計から出す考えしかなく、
出ないなら外食は我慢した。
でもいつからか、
ぼく:家族での外食も、
自分の好きな趣味みたいなものや。
人生楽しむために、カンパ制でいこう!
爽快で壮大な文脈に全然あってない「カンパ制」。
最初500円くらいずつから始まり、
今や2000円くらいずつ出して、外食するようになった。
「小遣い制」に加えて「カンパ制」が
正式に導入されている家は、あまりないだろう。
先日の夜。
ぼく:結婚記念日、あの店のコース食べたいなあ
妻:ああ、食べたいな
ぼく:行くか!
妻:...5000円ずつやな
ぼく:ご!...
妻:大カンパやな
ぼく:大カンパの到来やな
そんなこんなで、夜は更けていった。