【蚤の市で見つけた偏愛品】
夕陽を思わせるツートングラス
数ヶ月前に、仲間から「コレクター気質」と言われ、
#ナチュラルヴィンテージ研究会で、名乗ってみた。
そのときは、正直、端くれくらいに思っていて、
なんだか気恥ずかしかった。
それからしばらく経った、ある日の僕。
テントの下、日差しを避けるように
姿勢良く立つシャンパングラスと出会った。
まだ太陽が昇ったばかりだったけれど、
淡いオレンジが、夕陽のようにきれいで息をのむ。
その美しさに見惚れ、少し距離をおいて、眺めていた。
せっかちな僕にとっては、稀なこと。
傷ひとつないけれど、使うんじゃなく
眺めていたいと選ぶものが、時々あったりする。
しばらく、じっと見ている僕に、
優しい店主が「触ってみてくださいね」と言う。
けれど僕は、頷きながらも触れることなく連れ帰り、
部屋に飾ってからも、ほとんど触れていない。
「眺めていたい。」
ただ、それだけ。
コレクター気質の定義は、わからないけれど、
今ようやく、自分の中で、
「コレクター気質」という言葉がしっくりときた。