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陶器と磁器の違いとは? 
用途に適した食器選びのポイントを解説

こんにちは。
Re:CENO 二子玉川店の加藤です。

普段何気なく使っている焼物の食器。

一括りに考えがちですが、実は、
「陶器」や「磁器」などの種類に
分けられることをご存知でしょうか?

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、
使い方によって適した食器も異なります。

今回のマガジンでは、食器選びに役立つ
陶器と磁器の特徴とその違いを解説します。

陶器と磁器の特徴

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陶器と磁器は、
総称して陶磁器と呼ばれています。

陶器と磁器の基本的な製法には、
共通している部分が多くありますが、
主に原材料焼成の違いによって、
それぞれ異なる特徴を持っています。

陶器とは?

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陶器は、陶土と呼ばれる粘土を
主な原料としており、土物と呼ばれています。 

耐火性のある粘土に、ガラス質の成分を配合して、
約800〜1,300℃の温度で焼成。

陶器は、あまり透明感のない分厚い器で、
指で弾くと鈍く低い音が鳴ります。

陶器の焼物としては、
益子焼、備前焼、瀬戸焼などが有名です。

磁器とは?

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磁器は、長石が主成分の磁土が原料で、
別名石物と呼ばれています。

陶器と同様、ガラス質の成分を含みますが、
陶器よりも多い割合で配合されており、
約1,200~1,400℃の高温で焼成。

手触りはガラスのようななめらかな質感で、
手で弾くと金属のような高い音がします。

有名な磁器としては、
伊万里・有田焼や九谷焼 、砥部焼などがあります。

陶器と磁器の違いと選び方のポイント

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異なる特徴を持つ陶器と磁器は、
それぞれメリット・デメリットがあり、
食器選びの際の判断基準になります。

陶器と磁器の特徴の違いから、
食器選びのポイントは4つ。

  1. 耐水性
  2. 強度
  3. 電子レンジでの使用
  4. お手入れ方法

項目毎に、詳しく説明していきます。

ポイント① 耐水性

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陶器と磁器は原材料が異なり、それにより、
耐水性にも違いが生まれています。

磁器は、目が詰まっていて耐水性があり、
汚れにも強いため、日常で使いやすい食器です。

一方、陶器は土の密度が低く、
目に見えない無数の穴が空いているため吸水性があり、
料理の色や匂いが付きやすい特徴があります。

しかし、多孔性の陶器のザラザラした表面には、
炭酸飲料などの泡をキメ細かくする効果が。

ビール好きな方におすすめです。

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また、この食器表面の違いにより、
磁器よりも陶器の方が、
ラップが付きにくいことも。

表面が凸凹していると、
ラップとの密着性が低くなるためです。

このような場合は、ラップを大きめにカットし、
ラップ同士を重ねるようにしてみてください。

ポイント② 強度

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陶器と磁器の焼成時の温度の違いは、
焼き上がり後の強度に影響します。

高温で焼く磁器は、
固く焼き固まるため丈夫ですが、

陶器は、磁器より低温で焼き締まらないため、
密度が低く、衝撃で簡単に割れてしまいます。

しかし、陶器は土の性質から熱伝導率が低く、
保温性が高いというメリットが◎

熱いお茶やコーヒーを入れるのに最適で、
土鍋や湯呑みなどには、
磁器よりも陶器の方がよく使われます。

ポイント③ 電子レンジ

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陶器・磁器ともに、
電子レンジでの使用自体は可能ですが、
陶器は避けた方が安心です。

理由は、陶器は吸水性が高く、
加熱による急激な温度上昇で、
食器に染み込んだ水分が膨張し、
ひび割れの恐れがあるため。

例外として、固く焼きしまった陶器は、
電子レンジで使用できるものも◎

その場合も、冷たい陶器を急に電子レンジに入れたり、
長時間あたためることは避けましょう。

また、磁器も、金や銀の装飾があるものは、
加熱中に放電して火花が出たり、
塗料がはがれる可能性があるため注意が必要です。

ポイント④ お手入れ方法

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陶器と磁器は、
お手入れ方法にも違いがあります。

陶器は、吸水性があるため、
使う前に目止めをしましょう。

お米の研ぎ汁に20分ほど浸けておくか、
半日ほど水に浸すことで、
水分や油分が染みにくくなります。

磁器は、陶器に比べ水気を通さないため、
購入後、そのまま使えます。

陶器・磁器ともに、ご使用後は、
スポンジなど柔らかいものを使って
食器用洗剤で優しく洗い、
しっかり乾燥させてから収納しましょう。

陶器と磁器の種類別 おすすめ食器

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陶器と磁器の特徴の違いを説明しました。

ここからは、陶器と磁器の種類別に、
おすすめ食器をご紹介します。

陶器と磁器には、料理のジャンルによる
使い分けの決まりがなく、
コーディネートやお好みによって、
どちらも使われています。

お好みのデザインや、使い方に合った食器を
探してみてください。

陶器のおすすめ食器:錆かいらぎ

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おすすめの陶器の食器は、
落ち着きのある佇まいが魅力的な
「錆(さび)かいらぎ」シリーズ。

貫入(かんにゅう)という
表面の細かなひびのような模様が特徴的で、
これを意匠として表現する技法を
「かいらぎ」と言います。

いくつもの工程をすべて手作業で作られていて、
ひとつとして同じものはありません。

錆かいらぎは、表面にシリコンを施しているため、
陶器の使用前に行う目止めの作業が不要です。

陶器ならではの自然の風合いは、
盛り付けた料理を引き立ててくれます。

磁器のおすすめ食器:
yumiko iihoshi porcelain×木村硝子店 dishes

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おすすめの磁器の食器は、
うつわ作家であり、プロダクトデザイナーの
イイホシユミコさんが手掛ける
「dishes(ディシィーズ)」シリーズ。

丈夫で割れにくい磁器の特性から、
薄いつくりが実現しており、繊細な印象です。

機能面としては、
食洗機や電子レンジに対応。

シンプルで美しいデザインながら実用性が高く、
「量産でありながら、温かみのある
 食器作りを目指す」というイイホシさんの
モノづくりへ対する想いが感じられます。

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天然の天草陶石から作られる磁器の原料に、
陶土をブレンドした半磁器の焼物、
「HASAMI PORCELAIN」。

陶器のように落ち着いた雰囲気でありながら、
磁気の耐久性に優れた面も備わっています。

日本伝統の重箱にヒントを得て、
一定のモジュールに従って設計されていて、
自由なスタッキングが可能。

贈り物にもぴったりな使い勝手の良い食器です。

陶器と磁器の違いを知って、上手に食器を選びましょう。

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それでは、まとめです。

陶器と磁器の特徴の違いは、次の4つです。

① 耐水性
陶器は、多孔性のため吸水性がある。
磁器は、ガラス質で耐水性がある。
② 強度
陶器は、衝撃に弱く割れやすい。
磁器は、硬く衝撃に強い。
③ 電子レンジでの使用
陶器は、電子レンジの使用には向かない。
磁器は、基本的に電子レンジでの使用が可能。
④ お手入れ方法
陶器は、使用前に「目止め」を行う。
磁器は、購入後そのまま使える。

陶器と磁器は、原材料や焼成などの違いから、
見た目や手触り、特性など違いが様々。

磁器は、丈夫で扱いやすい食器ですが、
陶器には、陶器にしかない味わいや利点があります。

食器の特性を知った上で、
日々の使い方やお好みにあった食器を
探してみてください。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


Styling Goods

yumiko iihoshi porcelain×木村硝子店 dishes プレート

¥ 1,650 ~


HASAMI PORCELAIN プレート クリア/ブラック

¥ 880 ~


長角皿 錆かいらぎ

¥ 2,640 ~


カトラリー Cutipol GOA Black Silver

¥ 1,595 ~


CAST ダブルウォール

¥ 1,540 ~



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