家具の扉に使われているスライド丁番の
調整方法をご紹介します。
こんにちは。
品質管理チームのわたなべです。
今回は、収納家具の扉によく使われている金物の、
スライド丁番の調整方法をご紹介します。
スライド丁番は、家の中のいろいろな扉で使われています。
置き型の収納家具以外に、キッチンや洗面台、
シューズボックスなど、備え付けの収納の扉にも使われています。
先日、久々に帰省した実家で、メディシンボックス
(洗面台のミラー付き収納)の扉が傾いていて、
閉める時に、扉が隣のミラーに当たっているのを、見かけました。
こんな状態でも、スライド丁番の調整方法を
知っていれば、ほんの数十秒で扉を当たらなく
できますし、もう少し手を掛けると、すき間を
きれいに揃えることもできます。
これまで、扉の調整をしたことがないかたは、
扉が傾いてきたのは劣化で仕方のないことだし、
プロじゃないと直せないだろうと、放置しているかもしれません。
この記事では、スライド丁番の不具合を、誰でも
解消できるように、調整方法を説明します。
読んだあとに、ぜひとも実践してみていただければと思います。
左右の位置を調整して、傾きを直そう。
まずは、一番困ったことが起きやすい箇所から、
調整方法を紹介します。
隣の扉にこすったり、当たってしまって
開け閉めしにくいといったことはありませんか。
こういったお悩みは、扉の左右の位置を
調整するネジを回すことで、簡単に解消することができます。
種類によって、違いはありますが、ほとんどの
スライド丁番では、前寄りにあるネジが、
左右の調整用となっています。
こちらのネジが見当たらない場合は、スライド丁番に
カバーが付いていると考えられます。
スライド丁番についているカバーを外すところ
カバーを外せば、調整のネジが出てきます。
手だけで外せない場合は、小さいマイナスドライバー
などを使って外します。外したら、調整開始です。
左右位置調整のネジを左に回すと、
丁番がついている方向(吊元)に、扉が寄っていきます。
※丁番によって、回す方向が逆の場合もあります。
吊元側に寄せていけば、閉めたときに、扉が隣に
干渉することを解決できます。
ついでに、上下の丁番とも、調整ネジを使って、
扉を閉じたときの合わせ目のすき間も、
きれいにしてみましょう。
すき間を揃えると、スッキリとして、
お手持ちの家具が見違えると思います。
前後の位置を調整して、段差をなくそう。
続いて、扉の奥行き(前後)方向の調整方法を、説明します。
ここの調整が悪くなっても、開閉に支障が出ることは
少ないですが、箱の横から見たときのすき間を
きれいにしたり、扉の面同士の段差をなくすことができます。
前後の調整方法を説明する前に、ひとつ確認しておくことがあります。
前後調整用のネジの多くは丁番の後ろの位置に
ありますが、ネジを回すだけで前後に動くタイプと、
ネジを緩めて扉を引っ張ったり押したりして
前後を調整するタイプの、2通りあります。
こちらのネジを使って、前後に位置を動かして、
調整していきます。扉を閉めたときの、横から見た
箱とのすき間を揃えましょう。
しかしながら、閉じて状態を確認するために、
何度も開閉するのは手間がかかりますので、
扉を開けた状態で調整するのが、オススメです。
扉を90°開いた状態の、扉と箱のすき間を目安に
すると、扉を閉めずに調整できます。
すき間の広さは2㎜程度が目安です。ここのすき間を
なくしてしまうと、扉が箱に引っかかり、
閉めることができなくなるので注意しましょう。
ここのすき間を整えただけでも、十分にキレイに
仕上がりますが、閉じたときの扉の段差は、
まだ出ているかもしれません。
そんな時は、再度、前後の調整を少しずつ行います。
例えば、扉の上は、マグネットキャッチに
当たっているから、揃っているけど、
左の扉の下だけが奥に引っ込んでいるときの、調整方法を説明します。
上にある画像の「扉の合わせ目に段差がある状態」と
同じ状況です。揃えるためのアプローチは4通りあります。
・右の扉の、下の丁番を奥に動かす。
・左の扉の、下の丁番を手前に出す。
・右の扉の、上の丁番を手前に出す。
・左の扉の、上の丁番を奥に動かす。
上の丁番を動かすことは、意外に思われるかも
しれませんが、面がねじれて動くので、こういった
調整方法となります。
一か所動かすと、他のどこかが合わなくなったりと、
このあたりの調整は難しいので、少しずつ動かして
周りと合わせて、一番きれいに見えるところで
調整いただければと思います。
前後の位置を調整すると、見た目がよくなるだけで
なく、扉の動きもスムーズになりますので、
できる範囲でぜひともチャレンジください。
上下の位置を調整して、高さを揃えよう。
最後に、扉の上下方向の調整方法を説明します。
前後、左右、上下の全てを調整するときは、
上下の調整を、最初に行っていただいた方が、
あとあとの調整はしやすいです。
スライド丁番の種類によっては、上下の調整機能が
付いていないものもありますが、調整機能が
ないものは、上下に動くことがほとんどないので、
安心です。
上下調整ネジが付いている丁番の場合、
長いあいだ家具を使っていると、調整ネジがゆるんで、
扉が下の方に、ズレてしまっていることがあります。
こういった場合は、上下調整ネジを使って調整します。
ネジの場所ですが、丁番によって、さまざまなので、
画像では一例だけ紹介します。
こちらの調整ネジを回すことで、高さが上下に動きます。
高さの調整をする際は、1枚の扉についている全ての
丁番の高さを動かす必要があります。上の丁番を
上に動かしたら、同じ量だけ下の丁番も上に動かしましょう。
別のタイプとして、調整ネジを緩めてから、
位置を合わせるタイプというものもあります。
全ての丁番の調整ネジを緩めたら、扉が下に
落ちるので、いい位置に扉を持ちあげながら、
調整ネジを締めて、動かないように固定します。
どちらのタイプでも、箱の天板か、底板を
定規代わりにして、それぞれの扉の高さを同じ位置に
なるように調整していきましょう。
壁面収納の扉など、上下に扉が連なっている場合は、
ここの調整がズレ落ちていると、上の扉が下の扉に
乗っかったりと、扉の開閉に支障が出てきます。
こういった不具合のある場合は、上下調整のネジを
使って良い位置に調整していきましょう。
丁番を調整して、開閉時のストレスから解放されよう。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
スライド丁番の調整方法は、ご理解いただけましたでしょうか。
お困りごとが多くなるところから、順に説明しましたが、
全てをきれいに調整したいときは
- 上下の調整(付いている場合)
- 奥行きの調整
- 左右の調整
の順で一度、調整してみてください。
3方向の調整を全て一周しただけでは、
完ぺきにはならないかもしれませんが、
プロでもそうなのです。
少しずつ、いろんな位置を調整して、
納得のいくところまで調整してみましょう。
こちらの方法をマスターすれば、
家じゅうの扉の不具合のほとんどは、解消できるはずです。
ほかにも、下開きのドロップ丁番の調整方法も、
別の記事で解説してますので、
ご興味を持たれた方は、そちらもご参照ください。
テレビボードの扉の調子が悪い?金具を調整してメンテナンスしよう。
また、丁番を固定しているネジが抜けた場合の
対処法を、紹介している記事もございます。
ネジを締め直せなくなった時の、簡単な補修方法をお伝えします。