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テーブルにできた白い輪じみの簡単な取り方
こんにちは。
品質管理チームのわたなべです。
みなさんのご家庭のテーブルの天板に、白いシミが
できている箇所はありませんか。
テーブルにできた白い「輪じみ」
この白いシミは、コップや器、鍋など丸いものを
置いていた場所に、輪っか状にできることが多いので、
「輪じみ」と呼ばれています。
気に入って購入したダイニングテーブル、せっかく
なのできれいなままの状態で使い続けたいですよね。
Re:CENOの撮影スタジオで使われていた家具にも、
いつのまにか輪じみができていました。
今回は、この白い輪じみのできる原因と、
できたときに目立たなくする方法、そもそも輪じみを
作らないための対策をご紹介します。
テーブルに白い「輪じみ」ができる原因
熱い物を直接置くと輪じみの原因になります。
まずは、テーブルが、どうして白くなってしまうのか
を、詳しくご説明します。
白くなってしまうことを、「白化」といいますが、
塗料が白色に変色したわけではなく、白く見える
だけなのです。
白化は、塗り重ねられた塗装の層(塗膜)に、水気が
入り込み、乾燥することで起きてしまいます。
塗膜の中の水分が侵入した時点で白化が開始します。
その後、水分が乾燥したら、すき間が空いてしまい、
更に白化してしまいます。
透明の塗膜に通る光が、水分やすき間で散乱して、
にぶく白く見えてしまいます。
テーブルを使っていて、輪じみができる主な原因を
3つの挙げてみます。
- 鍋など熱い物を直接置くこと。
- 冷たいグラスを直接置くこと。
- 水で濡れたまま放置すること。
これらを行うと、「熱」が影響して、塗膜の中に
水分が発生してしまい、白化して輪じみができて
しまいます。
鍋など熱いものを直接置くと、天板が急激に熱くなり、
木の内部に含んでいる水分が蒸発して、塗膜に染み
こんでしまいます。
冷たいグラスを直接置くと輪じみになります。
冷たい飲み物を入れたグラスの周りに、結露して
水滴がつくように、冷たいもので天板が部分的に
急に冷たくなると、木に含まれる水分が内部で
結露して、塗膜の部分に出てきてしまいます。
水で濡れたままで放置したときも、水が蒸発するとき
に気化熱の影響で、天板が冷やされてしまい、
結露してしまいます。
塗膜のないオイル塗装などでは白化ではなく、直接、
水分が染み込んでシミができることがあります。
この場合のシミの消し方は、この記事とは別の方法になります。
輪じみの取り方① ドライヤーで温める。
輪じみができて間もない場合は、ドライヤーでシミを
消すことができます。
輪じみを消すには、できた輪じみに、ドライヤーの
熱風を当てていきます。
強い風で乾かすのではなく、風量を弱めに設定して
天板の該当箇所を、温めていきましょう。
温めると、氷が冷たくなくなって、水に変化するよう
に、塗膜は温度が高くなると、分子の繋がり方が、
硬いガラス状から、柔らかいゴム状に変化します。
温めてゴム状にして乾かすことで、分子が動くので
水が乾くときに、すき間のない状態にすることが
できるようです。
時間が経った白化にはあまり有効ではないので、
改善が見られなかったら、あきらめて次の方法を
試してみましょう。
輪じみの取り方② オイルを染み込ませる。
少し時間が経った輪じみには、オイルを使うのが効果的です。
今回は、家具のメンテナンス専用のオイルを使います。
油分の入っている家具用のクリーナー液
ご家庭にあるオリーブオイルなどの油、油分の多い
マヨネーズなどでも可能です。
使い方は、白化している箇所にオイルをかけて、
1時間程度放置したあとで、拭き取るだけです。
油分が塗膜に浸透して、水が乾いたときにできた
すき間を、油が埋めることで、輪じみが解消される
ようです。
放置しただけで良くならなかった場合は、
オイルを塗ったあと、中に浸透させるために、
ドライヤーの温風でオイルを温めてあげると、
輪じみが薄れることがあります。
輪じみの取り方③ アイロンを当てる。
ここまでの方法で、まだ改善しなかった場合は、
ウレタン塗装のようなある程度の熱に耐えられる塗装
であれば、アイロンを使うという方法もあります。
ラッカー塗装の家具では、悪化する可能性が高い方法
なので、お控えください。
まず、水で濡らした当て布で、輪じみを覆います。
アイロンは低い温度の設定で、スチーム機能があれば
オンにしましょう。
何十秒かアイロンを押し当ててみます。
白化が改善しない場合は、少しずつ押し当てる時間を
長くしていきます。
うまくいけば、輪じみは薄れて目立たなくなります。
冒頭の輪じみが、ここまで目立たなくなりました。
長時間当てすぎたり、高温にすると、更に白化したり、
塗膜がやわらかくなったり、焦げ付くことがあるので、
この方法はかなり注意が必要です。
天板の裏面など目立たない箇所で、一度試してから、
作業することをおすすめします。
また悪い変化を感じたら、すぐさま作業を中止してく
ださい。
アイロンによって、白化が薄れる理由を説明したいの
ですが、詳しくは判明しておりません。
急激な温度上昇による浸透圧効果で、水分が塗膜の中
に入ったのち、高い温度で塗膜がゴム状になって、
分子が動いて、すき間がない状態で乾くことができる
かと考えられます。
この方法で、輪じみがほとんどなくなったと思っても、
次の日に見ると、また白化してしまっているという
こともあります。
こちらは、中に水分が入り込ませることに成功して、
白化が薄れたように感じたけれど、中に残った水分が
乾くときに、またすき間ができて、白化が進んでしま
うということが原因です。
深い白化や、白化してからの期間が長いものは、
どうしても改善しきらないことがあります。
輪じみを作らないための対策
熱いものを置くときは鍋敷きを使いましょう。
最初に説明した通り、冷たいものや熱いものを、
天板に直接置くと、輪じみができてしまいます。
では、輪じみを作らないためにはどうすれば
いいでしょうか。
簡単にできる3つ予防方法を紹介します。
- 熱い鍋には、鍋敷きを敷きましょう。
- 冷たいグラスには、コースターを使いましょう。
- 水に濡れたら、拭き取りましょう。
熱い鍋はもちろんのこと、暖かい料理をのせた食器も
直接置くと白化の原因となります。
鍋敷きや、厚みのあるランチョンマットなどを使って、
熱が直接、天板に伝わらないようにしましょう。
鍋敷の代わりに、濡らした布巾を敷くのはNG
ただ鍋敷きがないからといって、水に濡らした布巾
などを敷いて、熱いものをのせるのは避けましょう。
アイロンの説明と同じように急激な温度上昇による
浸透圧効果で、塗膜に水分が入り込むことにより
一気に白化することがあります。
布巾を鍋敷きにする場合は乾いた状態であれば大丈夫
です。
冷たいグラスにはコースターを使いましょう。
グラスを置くときにはコースターを、
カップなどを置くときには受け皿を、なければ
こちらもコースターを使いましょう。
常温でないものを置くときは、天板の上に何かを
敷くことを習慣付けていただくと、テーブルを
きれいなまま、使い続けることができます。
また水滴や液体をこぼした際はすぐに拭き取って
ください。濡れ布巾などでテーブルを清掃する際には、
固く絞って、拭いた後に水分を残さないように
することも大事です。
輪じみのできにくいテーブルを選びましょう。
Re:CENO product|伸長式ダイニングテーブル folk/RD
輪じみの原因と、対策はいかがでしたか。
輪じみは「熱」によって、発生した水分が原因で
塗膜にできること。
輪じみを作らないためには、天板を急激に温度変化を
させないこと。
輪じみができたときは、温めるか、油で埋めるかして
目立たなくできること。
これらをわかっていれば、もう輪じみで困ることは
ないかと思います。
木製家具は、透明な塗料を使って塗装されているので、
中の塗料に変化が生じて、輪じみが起きてしまいます。
使い方に気を付けてもらえれば、輪じみは発生しない
です。それでも、輪じみができることを恐れずに、
使いたい方はウレタン塗装が、白化しにくいので、
オススメです。
テーブルを購入する際は塗装の種類にも注目して、
選んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【動画】塗装別に輪じみの取り方を解説
ウレタン塗装、ラッカー塗装、オイル塗装別に
輪じみの取り方を解説した動画を作りました。
こちらもあわせてご覧いただければと思います。