洗濯機で丸洗い可能?それともドライクリーニング?の疑問を解決します!
https://www.receno.com/pen/maintenance/u6/2022-05-13.php公開日 2023年04月27日(木)
更新日 2025年10月23日(木)
なぜ洗濯機で洗うとダメなの?
丸洗い不可の生地を洗濯機で洗って検証してみました。
こんにちは。品質管理チームのかとうです。
ソファーを使用していて「飲み物がこぼれた!」など、
気を付けていてもどうしても汚してしまうことが
あると思います。
カバーをすぐに洗いたいけれど
「ドライクリーニング推奨」で、
「洗濯機で丸洗いできたらいいのに...!」
と思ったことはありませんか?
そこで今回のマガジンでは、
「丸洗い不可」のソファーカバーを
実際に洗濯機で洗濯・乾燥まで行ってみて、
どうなるのかを検証しました。
カバーの丸洗いは本当にダメなのか?
生地はどう変化するのか?
これらの疑問を明らかにします。
今回の検証では、リセノで取り扱っている3種類のソファーカバーを、洗濯機で丸洗いしました。
30分の洗濯と20分の乾燥を行い、カバーは裏返さず、洗濯ネットを使用しています。
「コーデュロイ生地」を丸洗いして検証しました。
Re:CENO product|3人掛けソファー NOANA/BR
太めの畝(うね)が特徴的な「コーデュロイ生地」。
素材としては「コットン」から作られています。
コットン素材は一般的に、洗濯すると縮みが発生する
と言われており、ドライクリーニングを推奨しています。
それでは早速、洗濯・乾燥のあと、
どうなったかを見てみましょう。
左/洗濯前 右/洗濯後
遊び毛が抜けるようなこともなく、
パッと見た感じでは、変化はほとんど感じられません。
しかし近くでよく見てみると、
洗濯後の生地の方が、畝が少しデコボコしています。
手で触ってみても、デコボコとした感触を
よりはっきりと感じることができました。
左/洗濯前 右/洗濯後
生地の内側を見てみると、
明らかにデコボコしているのがわかりますね。
コットン繊維が洗濯によって縮むことで、
このような状態になるのです。

どれくらい縮んだのか、カバーのサイズを測ると、
約1.5㎝ほど縮んでいました。
マチの部分を除く辺の長さに対して、
約2.8%縮んだことになります。

では、クッションを入れてみます。
生地が縮んだ分、洗濯前のカバーに比べて
入れにくさを感じますが、
入らないほどではありませんでした。
ファスナーの破損に注意しながら、
慎重にカバー装着を行えば、
とりあえずつけることはできました。

左/洗濯前 右/洗濯後
クッションを入れてみると、洗濯した後のカバーは
少し小さくなった感じですね。
カバー自体のごわつきなどは変化を感じられませんが、
少し小さくなったため、クッションに空気をいっぱい
含ませるとパンパンになります。
丸洗いした結果をまとめると、以下になります。
- 畝(うね)にデコボコが発生。
- サイズは2.8%ほどの縮みが発生。
- 縮んだ分、クッションなどへのカバー装着がしづらい。
クッションのカバーであれば、
中身がやわらかいので装着自体は可能。
表面の風合いの変化が許容できる場合は、
丸洗いもできる...といったところでしょうか。
しかし、ソファー本体にかぶせるカバーは、
縮んでしまうと装着自体ができなくなる可能性もあり、
やはり丸洗いはおすすめできません。
Re:CENO product|2人掛けダイニングソファー culum/BR
また、ズレ止めの「マジックテープ」が
ついているカバーは、丸洗いすると遊び毛が付着し、
粘着力が弱くなるため注意が必要です。
「クリンプ生地」を丸洗いして検証しました。
Re:CENO product|2人掛けソファー NOANA/BR
「クリンプ生地」は、なめらかなさわり心地と
高い耐久性から、お子さまやペットのいる
ご家庭で特に人気の生地です。
素材としては、
アクリルやレーヨン、ポリエステルの混紡素材です。
水で洗うと、縮んだり強度が落ちたりするという
観点から、ドライクリーニングを推奨しています。
左/洗濯前 右/洗濯後
実際に洗濯・乾燥をしてみると、
先ほどのコーデュロイ生地に比べ、生地の風合いや
触り心地にあまり変化は感じられません。
表面のパイル部分は、お洗濯での変化が比較的少ない
「アクリル素材」で出来ており、
風合いの変化が起こりにくいようです。

サイズの変化はというと、約1cm縮んでいました。
辺の長さに対して、1.8%ほど小さくなっています。
先ほどのコーデュロイ生地同様、
クッションは少し入れづらくなりますが、
問題なくカバー装着できる範囲ではあります。
検証の結果は、以下の通り。
- 表面や裏側に変化は見られず。
- サイズは1.8%ほどの縮みが発生。
- 縮んだ分、クッションなどへのカバーが装着しづらい。
コーデュロイ生地と同様、
クッションのカバーであれば、丸洗いもできそうです。
ただしクリンプ生地は伸縮性が少ない素材。
ソファー本体のカバーは、少しでも縮んでしまうと
装着が難しくなるので、やはり丸洗いせず
ドライクリーニングをおすすめします。
また複数の素材でできており、
それぞれの収縮率の違いから、
「カバーの型崩れ」が起きる可能性もあります。
丸洗い可能なリネン生地を、
乾燥機に入れて検証しました。
Re:CENO product|3人掛けソファー AGRA/NA
「リネン生地」は、麻の一種である亜麻が原料です。
洗濯しても縮みにくく、強度も落ちないことから、
ご自宅での丸洗いが可能です。
丸洗いは可能なのですが、
乾燥方法については「日陰干し」を推奨しています。
そんなリネン生地を、
「乾燥機」を使って乾かしてみました。
左/洗濯前 右/洗濯後
洗濯によるシワが少し出ましたが、生地のごわつきや、
触り心地に変化はあまり感じられません。
サイズはというと、1.7%ほど小さくなっていました。
先ほどリネン生地の特徴として「縮みにくい」という
説明をしましたが、「1.7%」というと、
クリンプ生地と同等の縮みが発生していますね。
洗濯直後は縮みがありますが、クリンプ生地や
コーデュロイ生地に比べ、リネン生地は使用している
うちに伸びてくる特徴があり、
それほど大きな影響はございません。
検証の結果は、以下の通りです。
- 洗濯シワが発生。
- 表面や裏面の風合いに変化なし。
- 1.7%ほどの縮みはあるが、使用により復元可能。
今回は乾燥機にかけましたが、
リネンは「熱に弱い」特性があり、
縮みやすくなったりシワが取れにくくなったりします。
長くご使用いただくためには、
やはり「日陰干し」をお願いします。
リネン生地のカバーを長く使っていると、生地が伸びてくる場合があります。
その際は、一度お洗濯をしていただくと元のサイズに近づき、パシッとした印象を取り戻すことができます。
カバーを正しくお手入れをして、ソファーを長く使いましょう。
今回は、丸洗い不可のソファーカバーを
洗濯機で洗い、検証結果をご紹介しました。
1度の洗濯でも、縮みや風合いの変化が見られました。
耐久性の面など、目に見えない部分での
ダメージも必ず発生してしまいます。
リセノのソファーカバーは、
1度丸洗いしたからと言って
すぐに傷んでしまうわけではありません。
どうしても急ぎお洗濯が必要になった場合は、
デメリットを理解いただいたうえで、
丸洗いをすることも不可能ではありません。
ですが、何度も丸洗いをすると、
縮みによりカバー装着ができなくなったり、
耐久性が急激に落ちたりすることが考えられます。
やはり基本のお手入れは、
推奨方法で行っていただくのがベストです。
生地ごとの正しいお手入れ方法は、
こちらのマガジンでも詳しくご紹介しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。














商品部 関
BM 山本
品質管理 遠藤