木の家具には表情がある。
木の特徴を知って、家具に愛着を持とう。
こんにちは。
Re:CENO KYOTOの室之園です。
今回は、木材の表面に現れる
色々な表情についてお話したいと思います。
木材には木目や節など、
いくつかの名称の付いた表情があります。
味わいを感じられるものや、中には、
家具として少し好ましくないものもございます。
ですが、それらは
どれも木が成長する過程の中で現れる
木が生きていた証です。
その点を知ると、木製家具の見え方にも
ちょっとした愛着のようなものを
感じることができますので
ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
それでは、ご紹介していきます。
「節(ふし)」
こたつテーブル FAM-NATURAL 長方形 幅120cmタイプ
瞳のような見た目をしているこちらは
「節(ふし)」といいます。
節とは、枝が生えていた跡になります。
どの木材にも少なからず、節は存在するのですが
見た目や性質の都合上、
できるだけ省くよう製材されます。
節のある家具は、自然そのままの風合いを感じる事ができます。
Re:CENOでも、天板に使用する木材には少なからず
この節が入っています。
節の入った木の家具は、
自然みあふれる見た目をしていて
木の生命力を感じることができます。
同じ木が存在しないように
節の模様も唯一無二の表情ですので
自然素材ならではの味わいを
楽しんでいただければと思います。
節のない木材について
節を完全に除外した木材は「無節」と呼ばれ、
節ありの材料に比べて価格も高価です。
また「枝打ち」といって、
木の成長過程の途中で枝を切り落とし、
節を出にくくさせる方法もあります。
美しい木材を育てる方法は
まだまだたくさんありますので
興味のある方はぜひ調べてみてください。
「板目(いため)」と「柾目(まさめ)」
板目(いため)
この2つは、木目の名称です。
「板目(いため)」とは
曲線まじりの木目になります。
波状のような見た目のものや
荒々しく大雑把な見た目のものなど
木の成長具合によって様々な表情をみせます。
柾目(まさめ)
一方、「柾目(まさめ)」とは
平行な木目になります。
直線に近いまっすぐな木目が特徴で、
規則的な美しさが特徴です。
この2つの木目に違いが出るのは
木の切り分け方にあります。
左:板目(いため)/右:柾目(まさめ)
年輪に対して「平行」にカットすると「板目」
年輪に対して「直角」にカットすると「柾目」
切り出しの違いで、
全く違う表情が表れるというのは
なんだか面白いですよね。
板目の天板 (FAM-NATURAL 長方形)
見た目の印象も、だいぶ左右されますので
どこに板目柾目の木材を持ってくるかが
木製家具ではとても重要になってきます。
柾目の天板(ダイニングテーブル Henry)
例えば、テーブルの天板でも
板目か柾目かの違いがあり、
見た目の印象も違うのが分かります。
どちらの木目がご自身の好みに合うのか、
木の家具を選ぶ際のポイントにもなりますので
ぜひ意識してみてください。
「虎斑(とらふ)」
京都店のレジカウンターの虎斑。見事な虎柄でとても綺麗です。
この言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。
「虎斑(とらふ)」とは、オーク材に見られる模様で
虎の縞柄のように見えることから、この名がつきました。
独特な見た目から、
傷や塗装の剥がれと思われるかもしれませんが
木が栄養を蓄えた跡なので、ご安心ください。
オークの床材に現れた虎斑
虎斑は柾目にしか現れず、
質の良い木材という証です。
光沢感のある美しさもあるので
ある意味、高級品として珍重されています。
テーブルの脚に現れた虎斑
Re:CENOでは、「folkダイニングテーブル」や
「FAMシリーズ」でオーク材が使用されており、
稀に虎斑を見ることができます。
ダイニングチェアー J39 さりげない虎斑がアクセントになっている。
意識してみると、こんなところにもあるんだと
見つける楽しさもありますので、
既にお持ちの方は、虎斑が表れていないか
ぜひ探してみてください。
「白太(しらた)」
オークの床材。はじの白っぽいところが「白太(しらた)」です。
こちらは製造過程の段階で省かれることが多いので
家具では、あまり目にする機会は少ないかもしれません。
ナラ材の1枚板。両端に広めの白太が現れている。
「白太(しらた)」とは、
木の年輪の1番外側にあたる部分で
若くて新しい、成熟しきっていない木部になります。
白太は材料のはじっこに現れる。中央に来ることはない。
性質としても、柔らかく腐りやすいという点から
家具にはあまり向かないとされ、
製造段階で、切り落とされています。
『赤身』と呼ばれる部材について。
「赤身(あかみ)」とは白太とは反対の
年輪の内側にあたる部分です。
細胞が成長しきって硬くなり、
防虫成分、防腐成分が含まれていますので
一般的に、家具はこちらの部材で作られます。
ちなみに学術的にいうと
赤身は「心材(しんざい)」
白太は「辺材(へんざい)」
と呼びます。
ここまで聞くと、
白太はとても悪い部材のように聞こえますが
使い方によってはとても重宝される部分です。
杉の白太付きの板材。こちらは切り落とさず、天板として使いました。
白い見た目から、明るく爽やかな印象にしたい時には
白太を使用する事もありますので、
白太=悪い部分とは、思わないであげてください。
木の特徴を知り、より愛着を持とう。
いかがだったでしょうか。
木材の裏側を知ると、今まで使っていた木製家具も
ただの製品ではない、生きていた材料をつかった
魅力ある家具のように感じられないでしょうか。
今回ご紹介した木材の表情は、
京都店で展示している家具や店内の内装でも
見る事ができるものなので、
店舗へお越しの際には、ぜひ探してみてください。
今回ご紹介した以外にも、
木材の特徴はまだまだございますので、
機会がありましたらお調べいただければ幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
おまけ「銃弾」
機械で木材を削っていた際、ガガっと金属音が立ち、慌てて確認した。
少しおまけで、こちらもご紹介させていただきます。
こちらその名の通り「銃弾」が撃ち込まれた後の
木材になります。
これは、猟銃地域など
銃の使用ができる地域に生えていた木材に
時々見られる現象です。
外れた銃弾が木に当たり、
そのまま弾を包み込むように
成長したことが原因になります。
とても稀で、私も過去に家具の製造業を
行っていた際に1度だけ
この木材にあたりました。
こういった裏話が、製造の場では色々となるので
ご興味がありましたら、ぜひ調べてみてください。
こちらまでお読みいただき
ありがとうございました。