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センスのいらないインテリア【スタイリング編】|空間を「上・中・下」に分けて、スタイリングする。

空間を「上・中・下」に分けて考えると、
スタイリングの「足りない」が見えてきます。

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「必要な家具を揃えたけれど、なにか物足りない。」
「メリハリがなくて、なんだか部屋がのっぺりしている」
「ごちゃごちゃしてる所と、ぽっかり空いている所がある」

そんなお悩み、ありませんか?

これらに共通しているのは「空間の配置バランス」が
悪い状態だということです。

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△ 素敵な家具を揃えたけれど、上/中空間がぽっかり寂しい

例えばこんな風に、せっかくきれいな家具やインテリア
を揃えていたとしても、空間のバランスが崩れていると
お部屋全体として、美しさが損なわれてしまいます。

この解決策は、ひとつ。

空間を「上・中・下」に分割して、それぞれの空間に
しっかりと「見どころ」を作ってあげることで、全体
として美しいお部屋にすることができます。

リセノでは

  • 上空間 = 目線の高さ
  • 中空間 = 主役の家具
  • 下空間 = 床

と、それぞれの空間ごとに「足りない」を認識して必要
なアイテムを配してあげることを、お部屋を美しく仕上
げる基本セオリーと定義しています。

「上・中・下の3つの空間」のバランスを考えて、イン
テリアアイテムを適切に配置してあげるのです。

space-arrangement4.jpg ◎ 上・中空間をスタイリングして、空間バランスを整える。

そうすることで、一か所にアイテムが集まりすぎてしま
ったり、大きな空きができて、寂しい印象を受けたりと
いう失敗を避けることができ、美しいバランスの取れた
空間を作ることができます。

「上・中・下」の空間の特徴と、スタイリングの効果

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それでは、上・中・下の3つの空間の特徴と、効果・役
割を紐解いていきましょう。

「上空間 = 目線の高さ」を彩る

space-arrangement31.jpg

よくある失敗が、必要な家具は買いそろえたけれど、
目線の先ががらんとしていて、目の留まる場所がなく、
さびしい印象を受けるお部屋です。

この問題は、本当によくあります。

なぜならば、家具は床に置く性質上、比較的低い場所に
存在するため、一般的な住宅の天井高である260cmの
空間に対して、下の方に集まってしまうからです。

スクリーンショット 2024-06-05 141051.jpg

「上空間」には、お部屋の白く大きな壁が含まれます
から、この空間をしっかりとあしらいを加えることで、
お部屋の雰囲気が見違えるほど良くなります。

しっかりと「上空間 = 目線の高さ」にアイキャッチと
なる美しいアイテムを配置することで、空間のさびしさ
を埋め、バランスを取ることが大切になります。

「中空間 = 主役の家具」を彩る

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ソファーやダイニングといった大きな家具は、お部屋の
中でもひときわ存在感があります。

だからこそ、その大きな家具を置いているだけだと、
「見どころ」として物足りない印象になってしまいます。

せっかく高価なお気に入りの家具を購入したとしても、
着飾っていない主役ほどもったいないことはありません。

リセノでは、長く飽きずに使い続けるために「シンプル
なデザインの家具」をお勧めしていますので、より一層
彩るアイテムを加えることが、大事だと考えています。

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ソファーの上には、美しいデザインやカラーのクッショ
ンを置くことで、ソファーと一体となった美しいデザイ
ンに仕上がります。

また、ダイニングには、花瓶やお花を置くことで日々の
暮らしが美しいものに感じるでしょう。

収納家具の上には、アートやディスプレイをすること
で、お部屋のフォーカルポイントにすることができます。

「下空間 = 面積の大きな床」を彩る

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下空間である「床」の彩りには、2つのポイントがあります。

1つは「ゾーニング」を考えること。

ラグマットを効果的に敷くことで、お部屋の中を心理的
にゾーニングすることができます。

例えば、リビング。

「ソファーの前にラグを敷き、ここはリラックスゾーン」

と区分けをすることで、ダイニングはしっかりと食事を
するところ、ソファーはくつろぐところという区分けが
心理的にも、視覚的にも明確になりやすくなります。

space-arrangement14.jpg

もうひとつ大事なのは「床には、ものが集まりやすい」
ということ。

ついつい物を置いてしまう床は、目線に入りづらいから
こそ「一時置き」をしてしまいがちですが、それこそが
お部屋が散らかって見える原因になります。

この習性を放置しておくと、お部屋の配置バランスは
下に下にと集まりがち。

ですから、床のスタイリングというのは「整頓」という
意味でも、しっかりと考えるべきポイントなのです。

「上・中・下」の空間を美しく彩るためのスタイリングアイデア

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さて、お部屋という空間の中を

  • 上空間 = 目線の高さ
  • 中空間 = 主役の家具
  • 下空間 = 床

という3つの高さに分けて考える理由とメリットについて
ご紹介してきました。

この3つの高さを意識しながら「空間へのアイテム配置」
について検討することで、インテリアスタイリングは
美しくなります。

spacestyling.jpg

「空間を分けてスタイリング」なんて言うと、とても
難しく感じてしまうかもしれませんが、まったくそんな
ことはありません。

「空間ごとに必要なアイテムを知って、配置する」
やるべきことは、ただこれだけです。

ここからは、上・中・下のそれぞれの空間スタイリング
の実践編として、プロが実践しているスタイリングの
アイデアをご紹介していきます。

「上空間 = 目線の高さ」のスタイリング

space-arrangement9.jpg

さて、まずはインテリアスタイリングに最も影響を与え
る「上空間 = 目線の高さ」のスタイリングのアイデア
の中から、代表的なものを4つご紹介します。

  1. ペンダント照明で飾る
  2. フロアライトを配する
  3. 植物を取り入れる
  4. 壁を飾る

上空間のアイデア① ペンダント照明で飾る

space-arrangement6.jpg

お部屋の中で、もっとも目線に入りやすい高さにある
もののひとつが、ペンダント照明です。

名作と呼ばれるデザインが多い北欧家具の中でも、特に
照明に名作と呼ばれるものが多いのは、お部屋でのアイ
キャッチとして、重要度が高いためでしょう。

ペンダント照明は、目線の高さ(=上空間)にあり、
日々の暮らしの中で多く目に入るため、インテリアスタ
イリングにおいて重要な役割を果たします。

セオリー用_中原宅_ペンダントライト.jpg

ペンダント照明を選ぶときには、サイズや明るさと合わ
せて、点灯している夜だけでなく、消灯している日中に
も美しく見えるものを選ぶようにしましょう。

消灯しているときにも、暮らしの中で、常に目線に入る
ものですので、以外にも消灯している姿を見ることが
多いからです。

セオリー用_岩部宅_丸いペンダントライト.jpg

また、円形のものを選ぶのも、良いアイデアです。

住宅機器は、冷蔵庫やキッチンなど、たいていのものが
「四角形」のかたちをしていて、角が立っています。

角のあるものは、心理的にリラックス感を損ないがち
ですので、よく目に入るペンダント照明は、円形のもの
を選ぶこととで、リラックス感を促進してくれます。

美しいペンダントライトは、上空間のスタイリングの
主役とも言えます。 気に入ったものを選びましょう。

上空間のアイデア② フロアライトを配する

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ペンダントライトと並んで、目線の先にあるアイテムの
ひとつが、フロアライトです。

ペンダントライト同様、消灯時にも美しいものを選ぶ
ことで、スタイリングを美しくする手助けとなります。

pleats-fl-blog13.jpg

実用面でも、天井の照明だけでお部屋全体の光をまかな
おうとすると、のっぺりとした陰影のない空間になって
しまいます。

ですから、フロアライトやテーブルライトと合わせて
必要な光量をまかなう「多灯照明」は、美しいインテリ
アの基本中の基本です。

また、フロアライトをお部屋の角に置くことで、お部屋
の角のとがった印象をやわらげる効果も得ることができます。

センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「円形」をお部屋に取り入れて、空間の印象をやわらげる。

上空間のアイデア③ 植物を取り入れる

space-arrangement8.jpg

目線の先に、植物をアイキャッチにするのも良い手です。

植物は、人工物ではない独特の「複雑性」があるので、
お部屋に良いアクセントを与えてくれます。

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ちなみに「目線の先に」というと、「大きな植物」を
と思われるかもしれませんが、そうでもありません。

大きな植物ではなくても、スツールなどに植物を載せる
ことで、目線の先に植物を取り入れることができます。

これもプロがよく使うテクニックのひとつです。

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つる系の植物を、本棚や天井などから垂らしてみるのも、
上空間を彩る良いアイデアのひとつです。

本棚などは、背の高いものが多いですから、暮らしの中
でも、よく目に入ります。

本やディスプレイなどと合わせながら、有機物の植物
の複雑性が目線の先にあることで、インテリアの完成度
はさらに高まります。

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もちろん大きな植物も、王道の一手です。

大きな植物を窓際近くの壁などに置くことで、比較的
育てやすく、シンボルツリーとして長寿命も期待できる
ため、長く暮らしを豊かにしてくれることでしょう。

上空間のアイデア④ 壁を飾る

space-arrangement12.jpg

最後は、お部屋の中で目線にあるものの代表格 かつ 
もっとも大きな面積を占めるが「壁」です。

広大に広がる壁は、大きなキャンバスのよう。

適切に壁を飾ることで、お部屋の印象をがらりと良い
ものに変えてくれます。

20230203105327.jpg

お部屋にアートを飾るのは、とてもおすすめです。

白く殺風景な壁に、お気に入りのアートを飾ることで、
自宅を訪れる友人などにとっても、印象に残りやすく、
おしゃれなイメージを与える良いアイキャッチとなります。

アートを飾るのに、必要以上に気負う必要はありません。

有名な作家さんが描いた何十万円もするアートではなく、
数千円~ある量産品のアートで十分です。

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自分の気に入ったもの、お部屋の雰囲気に合うものを
購入し、賃貸でも跡の残りにくいピンを使って、気軽
に飾ってみましょう。

アートを飾ることで、お部屋の雰囲気が一気に良くなる
ことを体感いただけると思います。

アートを飾ることに慣れてきたら、将来的には作家物の
特別な1枚を飾るのも良いですね。

HAシェルフ_06.jpg

アートのほかには、デザインシェルフもおすすめです。

デザインシェルフの中を、お気に入りの雑貨で彩る楽し
みも生まれ、自分だけの特別な空間を作ることができます。

セオリー用_ひめさん宅_時計.jpg

実用性を兼ねた時計も、美しいデザインのものを選ぶ
ことで、目線の先の良いアイキャッチになってくれます。

小ぶりでありながらも、ぽっかりと空いた白い壁に
良いアクセントになります。

セオリー用_ミラー.jpg

お部屋の壁にミラーを飾るのは、どうでしょう。

ミラーは、お部屋の風景を映し出しますので、お部屋
自体を広く感じさせる効果があります。

また、円形のミラーであれば、同時に柔らかな印象を
お部屋に与えてくれるので、さらにおすすめです。

上空間 スタイリング実例

参考画像

上空間_ペンダントライト_岡邸.jpg
ペンダントライトで飾る/壁を飾る

上空間_ペンダントライト_山本邸.jpg
ペンダントライトで飾る/フロアライトを配する

Screenshot 2024-06-27 at 14-46-36 わたしの愛用品-AGRAソファーのクッションの変化は?愛用歴2年の使用感をレポートします |家具・インテリア Re CENO(リセノ).jpg
フロアライトを配する/植物を取り入れる/壁を飾る

上空間_植物を置く_えの邸.jpg
壁を飾る/植物を取り入れる

上空間_壁を飾る_岡邸.jpg
フロアライトを配する/植物を取り入れる/壁を飾る

----------

さて、「上空間 = 目線の高さ」のスタイリングアイデ
アを見てきました。

目線の高さは、目に入る頻度が高く、インテリアにおい
て非常に重要なスタイリングポイントです。

ただ、一方で、インテリア初心者の方が意識しづらく、
手つかずのまま放置されがちなポイントでもあります。

ぜひ、上記のアイデアを参考に、スタイリングに
チャレンジしていただければと思います。

では続いて「中空間 = 主役の家具」のスタイリングア
イデアを紐解いていきましょう。

「中空間 = 主役の家具」のスタイリング

space-arrangement10.jpg

続いては「中空間 = 主役の家具」のスタイリングアイ
デアをご紹介していきます。

主役の家具にきれいにお化粧となるアイテムを配してあ
げることで、空間全体として見どころがわかりやすく出
来上がり、主役が明確な美しいお部屋になります。

ここでご紹介する実践アイデアは2つです。

  1. ダイニングを彩る
  2. ソファーを彩る

中空間のアイデア① ダイニングを彩る

space-arrangement16.jpg

ダイニングは、食事と関係性が深いため、朝・昼・晩と
すべての時間帯で、使うことが多いでしょう。

ライフスタイルによっては、ソファーよりもさらに重要
度が高くインテリアの中で、1日の中でダイニングにい
る時間が一番多いという方もいらっしゃるでしょう。

space-arrangement15.jpg

ダイニングエリアは、ソファーと比べて背が高く、目線
の高さに近い場所にあります。

ダイニングの横にはサイドボードと呼ばれる収納家具
を置くことで、日用品などの片づけをしやすくなります。

テーブルや、サイドボードのエリアを「中空間」と定義
し、ディスプレイなどをしっかりと施すことで、お部屋
の印象をぐっと良くすることができます。

セオリー用_武尾宅_卓上.jpg

ダイニングテーブルの上に置くもので、テーブルに
あしらいを持たせることができます。

もっとも代表的なのは、お花です。

お気に入りの花瓶を選んで、生花をいけることで、
ダイニグテーブルにあしらいを加えることができ、
季節感も感じることができます。

1.jpg

また、実用性とともにダイニングテーブルをあしらう方
法として「シェーカーボックス」などの収納ボックスを
活用するのも良い方法です。

見た目にも美しいシェーカーボックスに、日用品を収納
することで、普段の使い勝手も維持しつつ、ダイニング
テーブル上のアクセントにすることもできます。

20230315-14.jpg

もうひとつのアイデアは、チェアに味付けを施すことです。

ソファーにブランケットを掛けるのと同様に、チェアに
ブランケットを掛けます。

シンプルなデザインのチェアに、柄の入った布をプラス
することで、華やかな印象を与えることができます。

ブランケットでなくても、お気に入りの布を掛けるだけ
で良いので、とても簡単に印象を変えることができます。

中空間のアイデア② ソファーを彩る

space-arrangement27.jpg

リビングの主役は、なんといってもソファーですね。

リセノでは、長く愛してもらうためには、ソファーの
デザイン自体は極力シンプルなものをお勧めしています。

個性的な生地柄などのソファーを選んでしまうと、長く
使っていく中で飽きてしまったり、趣味が変わってしま
ったりして、結局長く使わないということが起こりがち
だからです。

セオリー用_大場宅_ソファー彩る.jpg

ただ、シンプルなデザインだからこそ、そのままでは
すこし物足りない印象があるかもしれません。

逆にいえば、小物で彩りを与える余白があり、その彩り
によって、自分好みのソファーに仕上げることができます。

主役のソファーは、シンプルなまま置いておくのでは
なく、クッションやブランケットなどの小物をうまく
配置します。

セオリー用_岡宅_ソファー編んだもの.jpg

ソファーを上手にスタイリングするセオリーについて
は、また別のセオリーにてご紹介を予定していますが、
ここでは簡単に触れておきましょう。

ソファーを彩るクッションやブランケットなどのアイテ
ムを選ぶときには

 ・カラー
 ・複雑性

に注目しましょう。

落ち着いたトーンの「アースカラー」と呼ばれる色味
のクッションを選んだり、白などの無彩色であっても
「独特な織り柄」のあるクッションなどを選ぶことで、
シンプルなソファーに趣きを加えることができます。

el-thyme-bl-blog15.jpg

「ソファーに彩りを」と言われると、ついつい「派手
な色味」と思いがちですが、そうではなく落ち着きを
感じながらも、華やかで個性的な印象を与えてくれる
アイテムを選ぶのがポイントです。

中空間 スタイリング実例

参考画像

IMG_0030 のコピー.jpg
近くにサイドボードを置いて、ダイニングを彩る

中空間_ダイニング_濱田邸.jpg
卓上に生花を置いて、ダイニングを彩る

中空間_ソファー_岩田邸.jpg
サイズ違いのクッションで、ソファーを彩る

★IMG_0011 のコピー.jpg
クッションとブランケットで、ソファーを彩る

中空間_ソファー_江本邸.jpg
複雑性のあるクッションで、ソファーを彩る

----------

さて、ここでは「中空間 = 主役の家具」のスタイリン
グアイデアを見てきました。

主役の家具は、ソファーやダイニングをはじめとして
お部屋の中でも大きな印象を与えます。

この主役の家具を小物を合わせて、きれいに彩ることで
スタイリングの印象はぐんと良くなります。

小物の合わせ方は、また別のセオリーでご紹介します
ので、そちらを参考にぜひチャンレジしてみてください。

では続いて「下空間 = 面積の大きな床」のスタイリン
グアイデアを紐解いていきましょう。

「下空間 = 面積の大きな床」のスタイリング

space-arrangement11.jpg

最後は、床のスタイリングです。

床のスタイリングは「ゾーニング」と「散らかり」の
2つを上手に対処することです。

ここでは代表的なアイデアを、3つご紹介します。

  1. ラグマットを敷く
  2. 小さなマットを敷く
  3. 自然素材のカゴを使う

下空間のアイデア① ラグマットを敷く

セオリー用before-after_江上宅⑤.jpg

床のスタイリングの中でも影響度が大きいのは、
ラグマットです。

ポイントは、

  • 低い位置で目に入りづらいが、面積が大きい
  • ゾーニングの役割(ステージ)を担える

という点です。

セオリー用_岩部宅_ラグ敷く.jpg

床の主なスタイリングアイテムは、ラグマットや玄関
マットなどの「敷き物」です。

ラグマットは、面積が大きいため、部屋全体の印象を
変化させるほどの影響力を持ちます。

シンプルなデザインのラグマットを敷いて、調和を取る
のも良いですし、ヴィンテージキリムなどの柄物を取り
入れることで、大きく印象を変えるのにも役立ちます。

目線や、主役の家具などと異なり、低い位置にある
床のスタイリングですが、その分、面積を大きく使う
ことで、印象を変えることができるのです。

space-arrangement23.jpg

ゾーニングは「お部屋の中で、空間を分ける」ことを
指します。

例えば、LDK。リビングとダイニングはひと続きの空間
ですが、用途は

  • ダイニング = 食事や仕事などの「作業」
  • リビング  = TVや本を読む「くつろぎ」

と、つながっている空間でありながらも、まったく異な
る用途があります。

この相反する用途のダイニングとリビングを、心理的に
区切るのが「ゾーニング」です。

space-arrangement24.jpg 小さめのLDでは、2つの空間の区別をしづらい

たとえば、リビングにラグがない場合は、見た目にも
ダイニングとひと続きになっており、心理的にも区別
しづらい印象があります。

space-arrangement25.jpg ゾーニングすることで、心理的に空間を分ける

これに対して、リビングにラグを敷くことで、家具や
壁などで仕切っているわけではないのに、リビングの
ゾーンと、ダイニングのゾーンが区別されている印象
を受けます。

これが、ゾーニングです。

利便性の面から、ダイニングとリビングはひと続きに
なって「LD(リビングダイニング)」と呼ばれますが
実際は、まったく相反する性質を求める場所です。

床のスタイリングでは、美しさを補完するとともに、
ラグマットを使用して、2つの相反する性質を心理的な
側面を利用して区切ることで、より暮らしやすくなります。

下空間のアイデア② 小さなマットを敷く

space-arrangement28.jpg

床のスタイリングアイデアの2つ目は、小さなマットです。

ラグマットのように大きな印象変化や、ゾーニングが
狙いではなく、「あしらい、彩り」を目的としたアプ
ローチです。

小さな範囲に、薄いマットを敷くだけのアプローチです
が、華やかな印象をプラスすることができます。

●★4_寂しい(Mサイズ)-after_フロアマット-ILA_2024_01_12_7597.jpg

玄関などでも、もちろん足裏のほこりや汚れを室内に
持ち込まない用途もありながらも、殺風景になりがち
な玄関に、あしらいを与えてくれるのも、小さなサイ
ズのマットです。

目立ちづらい床にちょっとしたマットを敷くスタイリン
グテクニックですが、おしゃれさんが靴下にこだわる様
で、気の利いた素敵さを感じさせてくれます。

下空間のアイデア③ 自然素材のカゴをあしらう

space-arrangement18.jpg

床のスタイリングアイデアの最後は、自然素材のかご
を実用性と意匠性を兼ねて使うことです。

床に雑多にちらばった服やカバン、ブランケットなどは、
見た目にも不快で、いかにも散らかった印象を与えます
よね。

それが、自然素材のかごの中に入っていたら、どうでしょう?

セオリー用_江上宅_かご.jpeg

ただ、かごに入っているだけなのに、なぜか散らかった
印象はなくなります。

これは、ひとつには「ステージング」の効果といって、
1つのステージの中に「まとまって」いるように見える
ことで、床あたりに散らかった印象を無くしているのです。

IMG_0596 のコピー.jpg

また、床においた自然素材のかごは、見た目的にも
柔らかで、自然な美しさを感じさせてくれます。

ラタンなどのつる系の植物を使って、手編みで作られた
かごは、工業製品と違って、全体的にかっちりと決まっ
たデザインではなく、すこし歪んでいたり、曲がって
いたりと、ゆるやかな造形です。

セオリー用_岡宅_かごTV周り.jpg

だからこそ、かっちりとした印象を受けることなく、
中に入っているものが雑多であったとしても、それさ
えもゆるやかに受け入れて、調和しているように見える
のです。

雑多に入れて、床に置いておくだけで、素敵に見える自
然素材のかごは、床のスタイリングに欠かせない存在と
言えるでしょう。

下空間 スタイリング実例

参考画像

Skype_Picture_2024_06_27T06_55_34_082Z のコピー.jpg
ラグマットを敷く/自然素材のかごをあしらう

Screenshot 2024-06-27 at 16-06-00 20230428124042-thumb-autoxauto-q98.jpg
自然素材のラグマットを敷く

下空間_小さなマット_山本邸.jpg
小さなヴィンテージキリムのマットを敷く

下空間_小さなマット_清水邸.jpg
素材感のある編んだマットを敷く

下空間_かご_岩部邸.jpg
アラログ素材のかごとブックスタンドであしらう

セオリーのまとめ

Skype_Picture_2024_06_25T13_54_50_732Z.jpeg

さて、「空間の配置バランスを「上・中・下」に分けて
整える。」というセオリー いかがでしたでしょうか。

インテリア初心者の方が陥りやすい「お部屋の空間配置
バランス」についてと、実践的なアイデアを丁寧に紐解
いてきました。

あらためてまとめますと、

スタイリングの課題

  • 必要な家具を揃えたけれど、なにか物足りない気がする
  • 下はごちゃついてるけれど、上はぽっかり空いていてバランスが悪い

解決のためのセオリー

  • お部屋の空間を「上・中・下」の3つの空間に分けて考える。
  • それぞれの空間を、適切にスタイリングする
  • そのためのスタイリングアイデア

スタイリングセオリーの効果

  • お部屋の空間バランスが良くなる
  • 解決策を理解し、自らで解決できるようになる。
  • インテリアスタイリングが楽しくなる。

です。

20230315-2.jpg

お部屋の空間を

 上空間 = 目線の高さ
 中空間 = 主役の家具
 下空間 = 床

と、3つに分けて、それぞれにバランスよくインテリア
アイテムを配置することで、空間全体として整った印象
を与えることができます。

この記事を参考に、自分のお部屋の入口あたりに立って
俯瞰的に、空間の配置バランスを見てみましょう。

どこかの高さにアイテムが集まってしまっていたり、
足りなかったりする場合には、バランスよく配置しな
おしてみると、インテリアスタイリングのレベルが
ぐっと上がると思います。

動画でもご覧いただけます。

今回ご紹介した内容は、プロが解説する
動画でもご覧いただけます。

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