【好きもの工房】暮らしを輝かせてくれる魅惑の素材、
「真鍮(しんちゅう)」のお話
はじめまして。
デザイナー兼カメラマンのなかはらです。
たまに日曜大工的なことも
やらせていただいております。
身近にある好きなものや好きなこと、
やりたいこと、やってみたことなんかを
ご紹介していきたいと思います。
さて、最近気がついたことがありまして。
家の中や身の周りを見渡してみると、
キラリと輝くものが目につくなと。
それは何かと言いますと、
「真鍮(しんちゅう)」という金属。
いつの日からか無意識に生活に取り入れていたようで、
今ではあっちもこっちも真鍮だらけ。
きっと僕は昔から真鍮が好きだったんですね。
というわけで、初回はそんな真鍮の魅力と
生活への取り入れ方についてお話します。
真鍮ってなに?実は身近にある、
あれなんかもそうなんです。
まず、真鍮とは何なんでしょう?
真鍮とは、銅と亜鉛の合金で、
「黄銅鋼」とも呼ばれます。
安価な割に耐食性に優れ、加工がしやすいので、
日用品やアクセサリー、機械器具など
幅広く用いられています。
使えば使うほど、哀愁のある
アンティークな色味になる
面白い素材です。
あまりピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、
実は意外と身近で使われている素材なんです。
英語で言うとbrass(ブラス)。
ブラスバンドのブラスですね。
金管楽器(トランペット、サックスなど)に
真鍮がよく使われているので、
そう呼ばれています。
一番身近なものだと、5円玉。
当時、太平洋戦争で使用されていた
大量の薬莢を再利用して作られたのが
始まりと言われています。
他にはドアノブ、家具の取っ手、
ネジやパーツなどなど。
浸食されにくい上に加工がしやすく、
ゴールドのように上品な輝きがあることなどから、
古くから広く使われ続けているのです。
あっちやこっちでキラリと輝く、
僕の愛用品をご紹介します。
では、実際に僕が愛用している
真鍮の一部をご紹介しつつ、
その魅力をお伝えします。
我が家を輝かせてくれている真鍮アイテムはこちら。
- リビングのS字フック
- キッチンの計量スプーン
- 小物のボタン
- マイナスネジ
- 書斎の窓レール
まずはS字フック。
金属で無機質なのに、真逆の存在である
植物やカゴと合わせても違和感がなく、
全体を上品に引き締めてくれます。
この時にホワイト、ブラウン、グリーンなどの
いわゆるアースカラーと呼ばれるもので揃えると、
ゴールドの輝きがより引き立ちます。
次に、コーヒー豆の計量スプーン。
かっこいいアイテムが多いコーヒーグッズですが、
これは抜群ですね。
正直、わざわざこのスプーンを使う必要はありません。
でも、欲しかったんです!
ただただかっこいいという思いだけで購入しました。
手に入れてからは、そこそこちゃんと
スプーンで入れていますよ!
続きまして、カードケース。
真鍮とレザーの組み合わせがたまりません!
出すたびにキラリと光るボタンがニクイですね。
革とともに経年変化が楽しめるので、
使えば使うほど愛着が湧いてきます。
そして、マイナスネジ。
実は、世の中で使われているネジの9割がプラスネジ。
しかし、歴史はマイナスネジの方が長く、
1920年代にはマイナスネジしかなかったのです。
古い物好きの僕としては、伝統あるマイナスネジと
真鍮の組み合わせがまたツボでして、
何か作るときはこれを使います。
マイナスネジを使っている家具や雑貨を見ると、
それだけで手に取ってしまいます。
最後に、小部屋の窓レール。
こちらは大工の友人が選んで付けてくれたもので、
結構な大きい上に、最初はちょっと輝きが強かったんですが、
3年以上経ってちょうどよい質感になりました。
使うほどに馴染んでいく姿が愛おしいですね。
Re:CENOの大人気シリーズ
「WIRY」「R.U.S」の足元にもキラリ。
真鍮を使用している家具と言えば、
Re:CENOのオリジナルシリーズ
「WIRY」と「R.U.S」。
WIRYでは、テーブル、デスク、ソファの
すべてのアイテムで足元に真鍮を使用。
無骨な表情をもつシンプルなデザインに
金色の上品さをプラスしました。
https://www.receno.com/product/wiry/
R.U.Sでは、極限まで細くしたフレームの足元に
アクセントとして。
https://www.receno.com/unitshelf/
目立ちすぎるといやらしい感じになりますし、
黒やシルバーの金具だと味気ない。
このさりげない存在感がとても大切で、
小さいながらも全体のデザインを
しっかりとまとめてくれています。
このように、真鍮を取り入れることで
見た目のアクセントになるのはもちろん、
育っていくという姿を楽しめるのも、
大きな魅力のひとつです。
くすんで味が出るのもいいけど、
ピカピカだったあの頃に戻りたい!方へ。
空気に触れたり手で触れることで
経年変化を楽しめる真鍮ですが、
輝きを取り戻したい!という方へ。
簡単にできるお手入れ方法をご紹介します。
まず、容器に真鍮を入れ、ご家庭にあるお酢を
真鍮が浸るまで注ぎ、数分待ちます。
水でお酢を洗い流し、中性洗剤をつけて
ブラシ等で優しく磨きます。
中性洗剤を洗い流し、水をしっかりと拭き取って
市販のツヤ出しクロス等でさらに磨きます。
約20分でこんなにピッカピカになりました。
くすんで味があるのもいいですが、
光り輝いている姿も素敵ですね!
真鍮の宝庫!宝探しのように、
思わぬ発見ができるお店「つむぎ商會」
最近では真鍮のパーツを取り扱っている
お店も増えてきました。
そんな中で特におすすめしたいのが、
つむぎ商會(しょうかい)。
かつて製造されていたデッドストックの家具や、
建築金物が取り揃えられています。
真鍮を中心に、所狭しと並べられたパーツたち。
何に使うのか分からないものもたくさんですが、
見ているだけでゾクゾクしますね!
僕にとっては宝の山。
これを何に使おうか、どうしてくれようかと、
長い時では2時間以上ここで過ごします。
その他、小道具や古い家具、
骨董品なんかも豊富。
倉庫を改装しているので、夏は暑く、冬は寒いところや、
薄暗くて雑多な感じも商品のイメージに合っていて
とてもお気に入りです。
基本的に土日のみの営業。平日行かれる方は
事前連絡が必要となりますので、
ご注意くださいね!
真鍮のお話、いかがでしたか?
さりげなく、でもしっかりとした存在感で
生活を豊かにしてくれる魅惑の真鍮。
少しでもみなさんが暮らしに取り入れる
ヒントになっていれば嬉しいです。
ではまた次回。