工場見学で学ぶ、家具づくりの流れ - 中国の旅1日目 -
こんにちは、遠藤です。
ここは、最高気温マイナス2度の極寒の地。
突き刺さるように寒い、中国の大連に来ています。
なぜ大連に来ているのか?それは大連の工場から、
待ちに待った新作のサンプル完成の知らせが、
やってきたからです!
そう、実は今この大連で、リセノオリジナル家具の
制作が進行中なんです。
さかのぼること半年前、大連の工場で生まれた
リセノ初のオリジナルベッド「NOANA」は、
おかげさまで大好評 ^ ^
この評判の良さに、テンションが上がり、
シリーズでソファーやテーブルも作ろうと、
試作を依頼していたのです。
そのサンプル第一弾完成の知らせを聞き、関空から
飛行機で3時間、文字通り飛んできました!
初日は、工場見学まわり。
さて今回の旅は2泊と、許された時間はわずか。
スケジュールは、ぱつんぱつんです。
初日のスケジュールは、工場見学。
オリジナル家具をチェックする前に、
家具作りの工場に実際に足を踏み入れ、
どうやって家具が作られているのかを
社会科見学します ^ ^
初耳だったのですが、中国ではひとつの家具を
複数の工場で分業して、作る事もあるそう。
工場によって、得意・不得意な工程があり
木材の加工を担当する工場、塗装を担当する工場と
それぞれ自分の得意なパートを担当します。
各パートの専門家たちが分業した方が
完成する家具のクオリティーが高いのです。
大連の街はとても大きく、工場と工場は
車で1時間以上!
高速道路を飛ばして、最初の目的地
無垢材加工の工場へ向かいます!
まずは、無垢材加工の工場へ。
さて、1カ所目の工場は、無垢材の加工を
得意とする工場です。
ジャッキー・チェンの映画で見たような、
レンガ作りの建物が見えてきました。
さっそく工場内を見学しましょう!
「これ、何に使うの?」と見たこともない
マシーンが、目の前に広がってきました!
まず、このインダストリーでカッコいい機械。
こちらは、細かい無垢材を繋ぎ合わせて、
集成材を作る機械です。
集成材とは
ある幅に裁断した木材を、接着剤で繋ぎ合わせ、一枚板の様に加工した木材です。
反り・割れが起こりにくく、建築にも多用されています。
下の写真の様に木材を横に並べ、それを両サイド
から真ん中に向かって圧を掛けると、
1枚板のように繋がります。
幅の広いダイニングテーブルなどは、1枚板で
作ると、とても高額になるため、
この集成材を使うことが多いのです。
次に現れたのが、木材を研磨する機械。
先程作った集成材を水平に固定させ、
その表面をゴシゴシと研磨していきます。
表面のゴツゴツ感や、ささくれが取り除かれて、
家具として使える木材に変わっていきます。
続きましてこちらは、木材の角を型取る機械。
表面を研磨した無垢材の角を、丸く切り取ります。
微妙な曲線具合を、均一に切ることは
家具作りの難しい工程の一つです。
しかし、この機械に曲線具合をプログラムすれば、
ノープロブレム。
難しい丸角も均一に、綺麗にカットできるのです!
そんな集成材加工 → 研磨 → 角取りの技術を
駆使すると、綺麗なソファーの脚部も作れます!
工場を見渡すと、上の写真のように製造途中の
無垢材家具が、たくさんありました。
厚みのある無垢材を加工するには、大型の機械設備
が必要だそうで、設備が整っているこの工場に
受注が集まるそうです。
もっと見たい気持ちもありつつ、
制限時間がきたので、次の工場へ向かいます!
次は、ウレタンを専門とする工場へ。
2カ所目は、ウレタンの製造を得意とする工場。
あいにくの旧正月で、スタッフさんはお休み。
ガランとした工場内を、贅沢に見学します。
ウレタンはソファーやチェアーのクッションとして
使われる、家具ではお馴染みの素材。
初めて知ったのですが、ウレタンは発泡剤、樹脂を
混ぜて、パン生地の様に発泡させて作るようです。
樹脂と発泡剤をを入れると、わずか15分で、
高さ2m程もある大きなウレタンが出来上がります。
ウレタンに赤や青など色が付いているのは、
柔らかい・硬いを識別するためなんです。
「柔らかいウレタンは、ヘタリやすい。」と
よく聞きますが、工場の方が説明してくれたのは、
柔らかいウレタンでも、密度の高いウレタンは
形が復元する力が高く、ヘタリにくいそうです。
長持ちするソファーを探すときは、
ウレタンの密度をチェックすると良いですね^^
とても勉強になった、ウレタン工場でした。
あっという間に、1日が終了。
工場見学と移動を繰り返すと、
もう、あっと言う間に夕方に。
暗くなってきたので、今日はここまでです。
1日目は、大連の容赦ない寒さに凍えながらも、
初めて見る海外の家具工場は刺激的で、
心は熱くなっていました^^
木材が、かっこいい家具に変化していく過程を
見るのは、やっぱり面白い!
次回はいよいよ、オリジナル家具の
ファーストサンプルのチェックに向かいます。
どんな家具に仕上がっているのでしょうか?
それでは、また次回に。