モールドウレタンとは? スラブウレタンとの違いやメリットを解説
こんにちは。
Re:CENO KYOTOの宮崎です。
今回ご紹介するのは、
「モールドウレタン」についてです。
「モールドウレタン」とは、
あまり聞き馴染みのない言葉ですが、
ソファーの中材に使用される
ウレタンクッションの1つです。
今回は、ウレタンを使用したソファーに、
もっとも多く使われているスラブウレタンと比較し、
モールドウレタンの特徴やメリットをご紹介します。
モールドウレタンとは?
Re:CENO product|ソファーセット Bタイプ culum unit sofa/BR
モールドウレタンとは、一般的なウレタンよりも、
非常に高い耐久性をもったウレタンです。
ソファーを
多くの方ができるだけ長く快適に使いたいと
思われているはず。
そんな長く変わらない快適さを保つ上でも、
クッションの中材は、とても重要なポイントです。
ソファーを使用する上で、
気になる、クッションのヘタリ。
店頭でせっかく体感して購入したのに、
数年後、あの座り心地はいったいどこへ
行ってしまったのか。
そんな残念な経験はありませんか。
今回ご紹介する「モールドウレタン」は、
圧倒的に優れた耐久性が最大の特徴で、
10年後も変わらず、快適にお使いいただけます。
ヘタリを懸念してなかなかソファーの購入に
踏み切れないという方。
長く変わらない座り心地を楽しみたいという方。
スラブウレタンとの違いを踏まえて、
モールドウレタンの特徴を
詳しく解説していきますので、
ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
スラブウレタンとモールドウレタンの違い
上:rect unit sofa(スラブウレタン) 下:culum unit sofa(モールドウレタン)
ソファーに使われるウレタンは、
大きく分けて、次の2種類です。
- スラブウレタン
- モールドウレタン
もっとも多く使われているスラブウレタンと
今回ご紹介するモールドウレタン。
この2つの大きな違いは、成形方法です。
この成形方法の違いは、
耐久性にも大きく影響を与える
重要なポイントとなりますので、
それぞれ詳しくご紹介していきます。
1. スラブウレタン
別注プロダクト|SIEVE rect unit sofa ワイドタイプ
まずは、一般的にソファーやチェアなどに使用される
スラブウレタンの成形方法についてです。
スラブウレタンは大きな容器に、
ウレタンの溶剤を入れ、発泡させます。
その後、発泡した大きなウレタンの塊から
ソファーの形に合わせて切り出します。
イメージとしては、買ってきた食パンを
クッキーなどで使う抜き型を使用して、
型どるイメージです。
動物の形やお花の形、
自由に好みの形を作り出すことができます。
ですが、型どった食パンに耳はついておらず、
慎重に扱わなければ、すぐに型崩れしてしまいます。
2. モールドウレタン
Re:CENO product|2人掛けソファー culum unit sofa/NA
これに比べてモールドウレタンは、
専用の金型(かながた)を作り、
その形状にウレタンを発泡させます。
これは、買ってきた1斤の大きな食パンを
使うのではなく、家で食パンを好みの形に
発泡させるといった方法です。
そのため、焼き上がった食パンの表面、
すなわち、成形したウレタンの表面には、
パンの耳のような高密度のウレタン壁が作られます。
この高密度のウレタン壁があることによって、
型崩れがおきにくくなるのです。
これがスラブウレタンより、
モールドウレタンの方が耐久性に優れる
大きな理由です。
モールドウレタンのメリットとデメリット
ここまで、一般的に使われている
スラブウレタンとの「成形方法」の違いを
解説してきました。
ここからは、その成形方法の違いがもたらす、
モールドウレタンのメリットとデメリットについて
紐解いていきます。
モールドウレタンのメリット
Re:CENO product|ソファーセット Aタイプ culum unit sofa/NA
モールドウレタンのメリットは大きく分けて2つ。
- 優れた耐久性
- 安定感のある硬さ
それぞれのメリットについて詳しくお伝えします。
1. 優れた耐久性
まず、1つ目の優れた耐久性についてです。
はじめにもお伝えしましたが、
他の中材に比べ、圧倒的に優れた耐久性は
モールドウレタンのメリットであり、
最大の特徴です。
この耐久性を作り出すのが、パンの耳
= 表面の高密度ウレタン壁です。
ウレタンクッションのヘタリの原因。
それは、表面の気泡が座る度に潰れ、
もとの形状に戻ろうとする力が
徐々に弱くなってしまうことです。
モールドウレタンは、このヘタリの原因となる
気泡部分が露出しておらず、パンの耳のように
硬く弾力のある面が、表面を包んでいるため、
型崩れがおきにくいのです。
「BOKEN」での耐久試験の様子
この耐久性を、実証しているのが
専門機関「BOKEN」での耐久試験です。
この試験はソファーに対し、専用の機械で
「体重95kgの人が5万回座る」だけの負荷を与え、
平均1日20回座ると想定した上で、
7年間の使用状態を擬似的に作り出します。
BOKENでの「culum unit sofa」品質試験結果
使用した「culum unit sofa」の検証結果は、
座面の厚みの変化が、たったの4mm。
7年使用しても4mmの変化は、
圧倒的な耐久性を物語っています。
なお、背もたれのクッションに関しても、
フェザーを入れているため、
空気を入れることによる復元が可能で、
たわみは無しという結果でした。
モールドウレタンは、この優れた耐久性が評価され、
飛行機や新幹線など、公共の場でも採用されています。
2. 安定感のある硬さ
次に、2つ目の安定感のある硬さについてです。
ソファーにおいて、最も好みの分かれる座り心地。
もっちり包み込まれるような柔らかい座り心地が
好みの方もいれば、しっかり身を預けられる
安定感のある座り心地が好みの方もいます。
このモールドウレタンは、後者の方に
おすすめの中材です。
表面の高密度ウレタンが座り姿勢を安定させ、
沈み込むことでかかる身体への負担を軽減します。
柔らかいソファーが、
「長時間座ると腰が痛くなる。」
「腰痛持ちの方には、不向き。」と
言われる原因には、体を支える骨盤が影響しています。
柔らかすぎる土台の上では、
骨盤の位置が安定せず、くつろいでいる間も
常に身体へ負荷がかかり続けます。
そのため、柔らかいソファーを選ぶ際には、
骨盤を安定させ、負担を軽減させるためにも、
枕やコーディネートアイテムにもなり、
1つあると便利にお使いいただけます。
これに比べ、モールドウレタンを使用したソファーは、
安定した硬さが骨盤の位置を一定に保ちます。
そのため、長時間座っていても
安心して身を預けることが可能です。
この座り心地は、1つ目の「耐久性」と相まって、
10年後もほとんど変わらずにお使いいただけます。
モールドウレタンのデメリット
Re:CENO product|ソファーセット Aタイプ culum unit sofa/BR
上記のメリットがあるにも関わらず、
なぜ一般的には、スラブウレタンが多く
使用されているのか。
その理由は、単純にコストがかかるからです。
スラブウレタンとの成形方法の違いでも
お伝えしたとおり、モールドウレタンの成形には
専用の金型が必要になります。
この金型を作る際にコストを要するため、
スラブウレタンに比べ、モールドウレタンを
採用しにくいのが現状です。
また、スラブウレタンに対し、
比重が高いモールドウレタンは、
ウレタン溶液にかかるコストも大きいと言えます。
比重とは、同じ大きさのウレタンをつくるために
どのくらいの溶剤を使用しているかを表す指標。
高コストとなる分、販売価格も
スラブウレタンのソファーと比べ、
高く設定される傾向があります。
10年以上変わらない座り心地で
使い続けられるということは、
長い目で見て、一日あたりの費用は安くなります。
そのため、デメリットに見える一面も、
結局のところ、メリットになるのです。
モールドウレタンを使った「culumシリーズ」
リセノでも、今回ご紹介した
「モールドウレタン」を使ったソファーを
取り扱っています。
それが、「culumシリーズ」です。
「culumシリーズ」のラインナップは、
下記の3つです。
- culum unit sofa
- culum dining sofa / table
- culum low sofa
culumシリーズは、モールドウレタンの特徴である
耐久性と安定感のある座り心地を生かした
「硬さ」にこだわったシリーズです。
特に「culum unit sofa 」は、
今回ご紹介した2種類のウレタンを使用しており、
頼りがいのある硬さの中にも、
お尻あたりは柔らかな座り心地が特徴的です。
また、ダイニングソファーやローソファーは、
安定した座り心地でお使いいただきながらも、
専用のシートクッションを併用することで、
シーンにあわせた最適な座り心地を実現します。
耐久性の優れたモールドウレタンで、
10年先も変わらない座り心地を楽しみましょう。
京都店:「culum low sofa」展示の様子
モールドウレタンについて
本日のおさらいです。
モールドウレタンとスラブウレタンの大きな違いは、
ウレタンの成形方法。
モールドウレタンの特徴は、
- 優れた耐久性でへたりにくい。
- 安定感のある硬さが魅力の座り心地
- スラブウレタンに比べて初期費用は高いが、その分長く愛用できる。
です。
中材によって異なる座り心地や耐久性。
ぜひ、さまざまな座り心地のソファーを体感し、
長く使える自分にピッタリの1台を
見つけてみてください。
ありがとうございました。