【リセノのあの人】メディアチームの中原さんへ
インタビューしました。
こんにちは。
撮影チームの辻口です。
リセノでは、インテリアの魅力を
リアルな暮らしの中でお客様に
感じてもらえるよう、写真の中にモデルとして、
スタッフたち自らが登場しています。
インテリアが好きで、暮らしを楽しんでいる
リセノスタッフなら、誰もが素敵でおしゃれな
暮らしのヒントを持っているはず。
そんな、ちょっと気になる「リセノのあの人」たちに
インテリアのカメラマン暦4年、リセノ暦1年の
僕からインタビュー。リセノの裏側や暮らしに
まつわるお話を伺っていきたいと思います。
「メディアチーム "巨匠" 中原さん」
第二回目の今回は、入社6年目、制作部と
撮影チームのリーダーを務める中原さんです。
マネジメントだけでなく、バイヤー業務やデザイン、
カメラマンやライターなど、プレイヤーとしても
多岐にわたる仕事をストイックにこなす姿から、
社内では「巨匠」と呼ばれることも。
インテリア雑誌やWEBメディアに取り上げられるなど
内外から注目を集めている中原さん。その素敵な
ご自宅や、ナチュラルヴィンテージの誕生にまつわる
ストーリーなど、コアなお話をたくさん伺うことが
できました。
本当に作りたいものを、
自分たちの手で。
リセノ第14期 社内共有会メインビジュアル 中原さんデザイン
辻口:
中原さんはリセノの社内で、"先生"や
"巨匠"といった異名もお持ちです。
中原:
若干イジられてる感はありますが笑
そういえば、なぜか前の会社でも同じような
呼び名をいただいてました。
辻口:
中原さんをよく知っている僕としては、
そんなに不思議じゃないですね笑
最近では中原さんのご自宅が、インテリア雑誌や
Webメディアへ取り上げられたりと、
社内だけでなく、外部からも注目を集めておられます。
中原:
恐れ多いですが、ありがたいことに我が家を
取り上げていただく機会がありました。
最初はどうしようかと思ったのですが、
せっかくの機会なので、協力させていただきました。
辻口:
今日はそんな素敵なご自宅も見せてもらいつつ、
仕事やリセノの裏側についても色々お話を
お聞かせ願えればと。
いつも一緒に仕事をさせていただいている
間柄ですが、本日はよろしくお願いします!
中原:
よろしく!
辻口:
早速なんですが、リセノで現在取り組まれている
お仕事について教えてください。
中原:
最近はバイヤー・メディア活動を主に行っていまして、
その他にはデザインや写真の撮影、
動画チームとしての活動、ウェブメディアの
ライティングなどを行っています。
辻口:
仕事が多岐に渡りすぎて
どこから聞けばいいのか...笑
制作部と撮影チームのリーダーも務められていて
多忙を極めている中原さんですが、
当初はデザイナーとして入社されたと聞いています。
前職ではどんなことをされていたのでしょうか?
中原:
前職では制作会社で13年ほどカタログや
パッケージなどグラフィックを中心にデザインを
やっていました。
リセノに前職で一緒に働いてたデザイナーの知人が
いて、僕がインテリア好きということもあり、
声をかけていただいたことをきっかけに
デザイナーとしてリセノに入社しました。
"照明の選び方"のバナー 中原さんデザイン
辻口:
なるほど。
制作会社ではどんなものを
手掛けられていたんでしょうか?
中原:
色々やりましたが、わかりやすいところで
言うと「午後の紅茶」のパッケージをデザイン
したこともありました。
辻口:
午後ティーですか!
驚きです。
そういった大きな仕事に関われるのは
すごく花形な仕事に思えるんですが、
転職されることに迷いはなかったんでしょうか?
中原:
確かに、大きな仕事に関われる機会も少なく
なかったですし、寝る間も惜しんでチーム一丸で
作業に取り組んだのも良い思い出です。
ただ、制作会社の仕事はクライアントワークなので、
依頼された会社の意向が最優先ですから、
要望に対しては絶対にNOとは言えない環境でした。
クライアントとのやり取りの中で、自分の描いた
イメージからどんどん遠ざかってしまうことが
歯痒く感じることもありました。
辻口:
もっと自分が良いと信じたイメージに
突き進んでいけるような仕事がしたかった、
ということでしょうか?
中原:
そうですね。
関わる人数も多かったので、自分でやっている感も
ちょっと薄くて。自分が活躍しているという実感が
欲しかったのかもしれません笑
Evianのパッケージを共有会に合わせてリデザイン
辻口:
リセノでは大活躍されています笑
中原:
ありがとう笑
リセノは自分たちがクライアントなので、
良くも悪くも、OKを出すのもNGを出すのも
自分たち次第です。
辻口:
制作会社とはどんなところが違ってくるでしょうか?
中原:
リセノでは、結果が自分達に返ってくる分、
いかに自分を磨き続けてクオリティを上げ
続けられるかが勝負、というところでしょうか。
すべてが自分たち発信での活動になりますので、
生み出し続けるという、以前とはまた違った苦労も
ありますね。
買いたいより、作りたい。
こだわりのDIY
真鍮を使ったペンダントライト 中原さん作
辻口:
作ることへの実感にこだわる中原さんですが、
リセノのWebマガジンではDIYの連載をされています。
そのクオリティの高さから、記事が公開される度に
社内でちょっとしたどよめきが起こります。
中原:
変態だと言われることもありますね笑
辻口:
色んな異名をお持ちです笑
DIYはリセノに入る以前からされていたんでしょうか?
中原:
今のマンションに引っ越してから、
自分好みの住まい作りの為に始めたのが
きっかけだったと思います。
カッコイイものや素敵なものを見ると、
買いたい気持ちより自分で作りたい衝動に
駆られるんですよね。
その気持ちをここで発散してるというのもあります笑
宝石みたいなせっけん 中原さん作
辻口:
根っからのクリエイター気質です。
ちなみにDIYの作品はいつもどれくらいの期間で
製作されてるんでしょうか?
中原:
頭の中でぐるぐると構想を練るのが何日も
かかりますが、物を作るだけだったら、
丸一日~二日くらいですかね?
設計図がないので、作る練習をしたり
研究をしたり撮影もしながらなんで、実際は
もうちょっとかかりますが笑
辻口:
マガジン上では分かりやすくまとめられていますが、
裏側ではめちゃくちゃストイックに
取り組まれていますね!
中原:
いえいえ笑
撮影の練習になりますし、頭の体操にもなりますね。
丸めて運べるミニテーブル 中原さん作
「未経験」から「メインカメラマン」へ
辻口:
多彩な才能をお持ちの中原さんですが、
少し前まではメインカメラマンを務められていました。
デザイナーからカメラマンを兼任するようになった
きっかけは何かあったのでしょうか?
中原:
カメラマンに欠員が出たタイミングで、
代表の山本さんから、やってみない?と
お声がけしてもらいました。
「ヴィンテージ扉の家」 スタイリング・撮影 中原さん
辻口:
濱田さんの時もそんなお話があったような...笑
カメラマンとしての経験はあったのでしょうか?
中原:
いえ、もともとカメラを持ってすら
いなかったので、お話をもらった時は正直
焦りましたし、ビビりました。
辻口:
リセノでは、カメラマンは撮影するだけでなく
スタイリングも行うので、なかなか勇気が
いりますよね。
中原:
そうだね。
なのですぐにカメラを買って、週末は
家で猛特訓していました。
インテリアコーディネートも見るのは好きだし、
自宅も多少頑張っていましたが、実際の
スタイリングはまた別モノで、本当に難しかったです。
「琵琶湖沿いの家」 スタイリング・撮影 中原さん
辻口:
何でもストイックに取り組む中原さんですが、
現在まで、未経験から始まったとは思えないくらい、
メインカメラマンとして素敵な
写真の数々を撮影されてきました。
中原:
思うように撮れるようになってからは、
毎日の撮影が本当に楽しかったですね。
自分で納得いくまで撮影できる分、
満足度も高いです。
スタイリング・撮影 中原さん
辻口:
中原さんが撮影の時に気をつけている
ことはなんでしょうか?
中原:
商品とともに素敵な空間を見せるのはもちろんですが、
リアルとかけ離れないように工夫をしています。
最初はいかにかっこよく、いかにオシャレに撮れるか
を追求していましたが、それって実際の生活では
ありえないよね?とチームで話すようになりました。
辻口:
撮影を通して、実際の暮らしの風景に
近づけることの大事さに気づいていったと。
中原:
そうですね。
そこからは、あえて食パンの袋を見せたり、
新聞や本を雑多に置いたりと徐々にリアルな生活を
見せる撮影になっていきました。
辻口:
リアルな撮影といえば、リセノでは
自宅撮影というものを取り入れています。
これはどういったきっかけだったんでしょうか?
中原:
コントラクトの案件で、マンションでの撮影が
あったんですが、スタジオより断然リアルに
撮れたんですよね。狭さであったり、光の入り方で
あったりが生活感を出しているなと。
そこから、究極のリアルは
実際の家での撮影だ!ということになって、
自宅撮影というものが生まれました。
新築をリノベーション?
好きなものを詰め込んだ空間
辻口:
今でも、中原さんのご自宅で撮影された
写真が度々登場しています。
今回はその素敵なご自宅を見せて
いただけるということで。
中原:
まだまだ作り込めてないので、
ちょっと恥ずかしいんですが...。
辻口:
いや、十分すぎるほどの世界観だと思います笑
DIYの作品や、古いものが随所に散りばめられていて、
まさにナチュラルヴィンテージといった感じの
素敵なお部屋です。
Re:CENO productの製品も見られますね。
中原:
リビングのソファーはfolk、天井照明は
OIL PARCHですね。やっぱりヴィンテージを
取り入れた部屋との相性が良いです。
辻口:
ダイニングの天井には何やら変わった
照明がついていますね。見たことないタイプの
照明ですが、素敵です。
中原:
それは元々持ってた照明をカスタマイズして
自作した照明なんだよね。
辻口:
さらっと大作が出ました笑
中原さんのご自宅で一番印象的なのは、
なんと言ってもこの書斎スペースだと思います。
すごく素敵な空間になっていますが、
これは元々備え付けられたものでしょうか?
中原:
いえ、ここは元々納戸みたいな
スペースになる予定だったんです。
見取り図を見た時からこの書斎の構想があったので、
建築屋さんに「ここ書斎に変えるので、壁は
作らないままで」って相談したんですが、
資材の関係で変えられず、結局部屋が完成してから
友達の大工に頼んで...。
辻口:
ちょっと待ってください。
つまり、新築ができた後すぐに壁を壊して、
この書斎を作ったということでしょうか?
中原:
そうだね笑
辻口:
大胆すぎませんか?笑
奥様はどういう反応だったんでしょう。
中原:
「かっこよくなるならなんでもいいよ」
みたいなことを言ってたと思います笑
辻口:
素敵すぎるお話です!
ちなみに、Re:CENO Magでは中原さんの奥様が
エッセイを執筆されていて、素敵なご家庭の
様子を垣間見ることができます。
中原:
それは本当に照れるんで、ノーコメントで笑
辻口:
失礼しました笑
話を戻しまして...。
物量が多いのに、とてもまとまりがあるように
感じるのですが、何かスタイリングのコツが
あるんでしょうか?
中原:
一言で言うと、「リズムを持たせる」でしょうか。
丸、四角、大、小、縦長、横長を
組み合わせて、余白を埋めていくイメージで
コーディネートしています。
ごちゃごちゃしてしまうと思われそうですが、
ヴィンテージアイテムはどれもいい感じに
朽ちているので、自然と統一感が出てくれます。
辻口:
なるほど。
「リズム」とアイテムの統一感を意識すれば、
好きなものをたくさん並べても、まとまりの
あるお部屋に仕上げられるということですね。
ナチュラルヴィンテージに
まつわるストーリー
辻口:
中原さんのヴィンテージアイテム好きは
社内でも有名なところですが、蚤の市に通いすぎて
店の人から業者だと思われているという話が
個人的に好きです笑
中原:
そんな話したね笑
いつも朝7時過ぎくらいには会場に到着してるかな?
辻口:
うーん、業者ですね笑
ヴィンテージアイテムの
どんな所に魅力を感じるでしょうか?
中原:
そうですねぇ。
ピカピカの物や、綺麗に整った
物がもともとあまり好きじゃなくて。
錆びたりくすんだり歪んだりしてるものに
魅力を感じます。
計算されたものでなく、作る過程や
自然とそうなった結果として、同じものが
1つとない特別感みたいなのがたまらないですね。
辻口:
確かに、古いものの唯一無二な
感じっていいですよね。
中原:
うんうん。中にはけっこう雑な作りのものも多くて、
どんな人がどういう思いで作ったのかを
想像するのも楽しいですね笑
辻口:
ヴィンテージへの愛が止まりません笑
今ではナチュラルヴィンテージというスタイルを
確立したリセノですが、それ以前は北欧や
メンズライクなど、色んなテイストを
扱っていたと聞いています。
これは僕の推測なんですが、リセノにヴィンテージ
アイテムを持ち込んだのは、もしかして
中原さんじゃないですか?
中原:
あー...。確かに、当時は自分のお気に入りの
アイテムを家から持ってきては、
コーディネートに忍ばせてましたね笑
辻口:
つまり、ナチュラルヴィンテージの生みの親は
中原さんということになるでしょうか...?
中原:
生みの親というのはちょっと違うかな笑
ヴィンテージアイテムを取り入れたコーディネートを
代表の山本さんが気に入ってくださったんですよね。
そこから、山本さんがナチュラルヴィンテージという
ものを定義してくださって、徐々にスタイルとして
確立されていった、というところが正しいでしょうか。
辻口:
客観的に輪郭が作られたことで初めて、
コーディネートスタイルとして確立されていったと。
思わぬところで、ナチュラルヴィンテージの
誕生秘話が明かされました。
暮らしに心地よいものを届けたい。
辻口:
僕がインタビューするとついつい長くなって
しまうのですが、あともう少しだけお付き合い
頂ければと思います。
中原さんは現在、リセノからリリースする商品を
選定するバイヤーとしても活躍されています。
リセノで取り扱っている商品はどのように
選ばれているのでしょうか?
中原:
ナチュラルヴィンテージの世界観に合うか
どうか、見た目が素敵なのはもちろんですが、
それだけでなく、素材感や実際に使ってみた
ときのフィーリングは重要ですね。
辻口:
撮影を行う前などもそうですが、リセノでは
スタッフが実際に暮らしの中で使用してみた時の
インスピレーションを反映するよう
心がけられています。
中原:
これいいかも!と思っても、実際に使ってみて
使い心地があまりよくなかったりすると
採用を見送ったりしますね。
辻口:
逆に、スタッフが元々自宅で使用してものを
商品として取り扱うケースもありますよね。
中原:
そうですね、そういうリアルの中から
お客様に届けたいものが見つかることも
よくあります。
あとは、作り手の方のコンセプトや想いは、
選ぶ基準として大きいですね。
辻口:
バイヤーチームの方は作家さんや
メーカーさんとのコミュニケーションを
大事にされている印象がとても強いです。
中原:
そこはリセノの企業文化でもあるので、
大事にしてます。
商品をリリースしたあとに、メーカーさんから
「良いページを作ってくださってありがとう
ございます!」といったメッセージを頂くことあって、
そういう時はすごくやりがいを感じます。
辻口:
本当に嬉しいですよね。
逆にバイヤーとして苦労するところは
どんなところでしょうか?
中原:
よりこだわって作られたものほど、生産に時間が
かかってしまうものなので、そういった上質なものを
安定してお客様にお届けするにはどうすればいいかと
いつも頭を悩ませていますね。
辻口:
いいものだからこそ手に入りにくい、
というジレンマですね。
「インテリアの楽しさを、もっとたくさんの人に」
辻口:
中原さんがマルチに活躍されている分、
インタビューもすごい長さになってしまいました笑
最後に、メディアチームとして制作されている動画、
「センスのいらないインテリアシリーズ」について
お伺いして終わりたいと思います。
こちらはどういった経緯で始まったのでしょうか?
中原:
「インテリアの楽しさを、もっとたくさんの人に」
というのがリセノのスローガンなので、
初心者の方にも、簡単にインテリアを楽しんで
いただきたい!という想いからこのシリーズを
制作し始めました。
辻口:
構成から撮影、ナレーションから編集までトータルで
手がけらていますが、とても分かりやすいと
社内でも評判です。
あと、ご自身のイラストがとても似ています笑
中原:
イラストも自分で描きました笑
リセノには自社スタジオと様々な家具があり、
いろんな実例をしっかり自社で作りこんで
見せることができるので、そこが分かりやすさに
繋がっているのかなと思います。
辻口:
撮影は大変ですが、考えたことをしっかり形にできる
のが、リセノの制作環境のいいところですよね。
今日は色んなお話を聞かせていただきましたが、
今後中原さんはリセノでどんな風に
活躍されていきたいですか?
中原:
そうですねぇ。
まずは自分がしっかり一番楽しむことが大切だと
思っています。そうすれば、周りの人にも自然に
楽しんでもらえるのではないかと。
DIYや自宅のコーディネートで楽しさを発信したり
していますが、今後はその中で思いついたものを、
Re:CENO productの製品としてデザインして、世に
出せたらなと思っています。
皆さんのお家にお届けして、豊かな暮らしの
お手伝いができたら嬉しいですね。
辻口:
中原さんが手掛けられたものが
リセノからリリースされる日が楽しみです!
今日はお忙しい中、ありがとうございました!
中原:
ありがとう!