北欧の名作チェアから学ぶ、ダイニングチェア選びのヒントをお伝えします。

こんにちは。
Re:CENO TOKYO の大森です。

普段は、お客様に直接インテリアのご提案をしたり、
「おかえりカラー」というエッセイにて、
暮らしの様子をお届けしています。

今回からマガジンを連載させて
いただくこととなりました。

少しでも多くの方に「インテリアの楽しさ」を
お届けできればと思っておりますので、
よろしくお願いいたします。

僕がお届けするテーマは、大きく分けて3つです。

• 北欧の名作家具とリセノ家具
• 3人家族の戸建てインテリア
• 実生活から得た暮らしのヒント

こんなテーマに少しでも興味がある方は、
今後のマガジンもご覧いただけますと嬉しいです。

第1回目となる今回は、
「北欧のダイニングチェアが愛される理由」を
僕なりに紐解き、そこから、暮らしにフィットし、
生活の道具として活用できる「チェア選びのコツ」
についてお話します。

北欧生まれのチェアがきっかけで
椅子好きになりました。

東北のこたつ文化で育った僕にとって
椅子は、「食事をするための道具」という
ざっくりとした印象でした。

ですが、インテリアが好きになればなるほど
「椅子がインテリアの中で、一番重要なアイテムだな」
と思うようになったのです。



そのきっかけになった椅子が、
デンマークの家具デザイナーである
フィン・ユールの「イージーチェアNo.45」。

1945年に発表されたイージーチェアですが、
造形の美しさに一目惚れしました。

こちらの椅子は、世界一美しいアームを持つ椅子
とも言われています。

この椅子に出会ったことで、
椅子は座るためだけの家具じゃないんだ
と考えるようになります。

それからは、デンマークの椅子について
本や美術展を通して探索するようになり、
僕なりの「椅子選びの基準」が出来上がりました。

今回は、その基準をダイニングチェアに置き換えて
チェア選びのコツを3つお伝えします。

ダイニングチェア選びのコツ①
体勢が変わっても快適であること

人は、じっとしていられない生き物です。
寝ている時でさえ、寝返りを打ちます。

実は、椅子に座っていても、体勢を変えないと
疲れてしまうものです。

そのため、ダイニングチェアも同様に
前向きはもちろん、斜めや横向きに座っても
「快適である」ことを大切にしています。



我が家では、デンマークの国民的チェア
「J39」を使用しています。

横向きに座りながらテレビを見たり、
調理中の妻と話したりする時も、
座面の座り心地がほとんど変わらないため、
どんな体勢でも心地よく座っていられます。

また、横向きの時には、背もたれを肘掛け
代わりに座るとラクだなと感じます。

ダイニングチェアを家具屋さんで選ぶ際は、
「斜めや横向き、はたまた
　後ろ向きに座っても快適かどうか」
という視点で、ぜひ確かめてみてください。

ダイニングチェア選びのコツ②
片手でもラクに動かせる軽さ

スーパーレジェーラ　3Dモデル

イタリアの名作チェアである
「スーパーレジェーラ」をご存知でしょうか。

直訳すると「すごく軽い」という意味で、
重さ約1.7kgという、超軽量設計。

指1本で持てる、なんて言われています。

それでいて、タキシードをまとった紳士のように
洗練された美しさがあるチェアです。

そんなスーパーレジェーラがヒントとなり、
たくさんの椅子が誕生しています。

例えば、リセノプロダクト「WICKER CHAIR」は、
軽くて丈夫なラタン素材を用いて、
全体を軽量化しています。

スーパーレジェーラほどではありませんが、
「片手でひょいっと持てる」という
表現がぴったりだと思います。

また、「PAPERCORD CHAIR」は、
スーパーレジェーラの形状を模して、
軽やかな印象になっています。

重量は約3.7kgですが、女性でも
片手で持つことができる範囲です。

ダイニングチェアは何度も出し入れをして、
移動を繰り返す家具です。

僕なりの考えとしては、生活の中で何度も繰り返す
行動にちょっとした「負」が重なると、
生活のストレスになると思っています。

（足の指をぶつけやすい場所なんかは、
　そのストレスの最上級です）

椅子選びは、座り心地に目が行きがちですが、
片手で持てる程度の軽さも
椅子選びの大事な要素になります。

ダイニングチェア選びのコツ③
背面と側面のディテールの美しさ

家具やインテリア品には、どれも「正面」があり、
だいたいはその正面が、一番の見所になります。

でも、テーブル下にしまうことが多い
ダイニングチェアにおいては、実は、
背面や側面がインテリアのメインとなるのです。

そのため「背面や側面の見た目（ディテール）を
どれぐらい好きか」によって、また座りたくなる
椅子かどうかが決まると思っています。

個人的には、「直線」と「曲線」のバランスを
特に重要視しています。

直線が目立つダイニングチェアの場合は、
実直さや力強さを感じて、
支える椅子としての印象が強くなります。

逆に曲線が目立つチェアの場合は、有機的で
インテリアのアクセントになりやすいです。

この直線と曲線のバランスをご自身の好みや
目指したいインテリアに当てはめていただければ、
きっと良い椅子に出会えるはずです。

その美しさに吸い込まれて、
何度も座りたくなる椅子を見つけてください。

ダイニングチェア選びのコツを
3つご紹介しました。

ダイニングチェアをこれからお探しの方は、

• 体勢が変わっても快適であること
• 片手でもラクに動かせる軽さ
• 背面と側面のディテールの美しさ

この3つをぜひ参考にしてみてください。

チェア選びにお困りの方は、
実店舗でもお手伝いできますので、
お気軽にご来店ください。

展覧会で再燃　
椅子欲が高まった結果...

先日「フィン・ユールとデンマークの椅子展」
という展覧会に行ってきました。
※現在、展覧会は終了しております。

たくさんの名作チェアを見て、触れて、
座って、と、終始大興奮でした。

その様子はこちらのエッセイをどうぞ。

【おかえりカラー】そうだ、デンマークの椅子に触れよう。

帰ってから数日が経っても、椅子欲が抑まらず。

その勢いのまま「えいやっ」と購入したのが
ハンスJウェグナーの「CH25」です。

このチェアについて話すと、長くなりますので、
一言だけ書かせていただきます。

背面斜め45~60度の見た目が好きです。

憧れだった椅子に、好きなタイミングで、
そして好きな体勢で座れることが、
暮らしの小さな幸せだったりします。

私ごとですが、近々引っ越しの予定ですので、
新居でのチェアライフも、楽しみたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
また次回のマガジンでお会いしましょう。