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更新日 2023年03月27日(月)

【まるく、暮らす。】
自分のために買った花が教えてくれたこと

京都でひとり暮らしをしていた頃。

休日は薄暗くなり始める時間帯に
スーパーに向かうのが日課で、
歩きながら色んな家の
灯りを眺めるのが好きでした。

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(今でもよく、夕暮れの中を散歩します。)

キッチンで料理をつくる音や、ご飯の匂い、
まだ遊び足りない子供たち、野良猫。

「あ~いい匂い、煮魚食べたくなってきた。」
「あ、この猫、この間もいたな...。」

なんてことを思いながら、歩きます。

すると、ひとりきりの暮らしから、
ぐっと視野が広がる感じがして、
すぐそこに感じられる日常に
なんだかホッとするのでした。

今思うと、今を生きている自分以外の
誰かの気配を感じて、安心して
いたのかもしれません。

そんなことを考えていると、
家族や大切な人が頭に浮かぶのは
よくあることでした。

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行きつけのスーパーに到着し
目的の食材を目指して店内を回っていると、
ふと目に留まったのは、農家をしている実家で
育てていたお花でした。

「あ、これ~。」と懐かしく思うのも束の間、
値段を見て「わ、こんなにするんだ。」と
躊躇しました。

実は、誰かに贈り物をするタイミングでしか
お花を買ったことが無かった私。

自分にお花を買う、ということへのハードルが
とても高かったんです。

とはいうものの、最近お部屋に
変わり映えがないし...

Instagramの憧れのあの人も、
お花を取り入れて楽しんでるみたいだし...

挑戦してみるのもありかなあ...

と店内を回りながらぐるぐると考えます。

夕暮れ時のセンチメンタルな気持ちも
そっと背中を後押しして、思い切って
2輪買ってみることにしました。

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(当時、2輪買ったのはこのラナンキュラスでした。

初めて、自分のために買ったお花。
懐かしさを感じる、お花。

帰宅してドライフラワーを
飾っていた花瓶をあけ
買ってきたお花をいけてみます。

うん、なかなかいい感じ。

狭い7.5畳の部屋の空気が
ふっと軽くなったような気がしました。

と同時に、小さなあたたかさも。

ちょっと大袈裟かもしれませんが、
自分以外の「生きている」ものの存在が、
思いのほか、自分の気持ちを
あたためてくれたようでした。

そんな気持ちになりながら
両親がつくっているお花は、
人々にこんな豊かさを届けているんだ。
と、ハッと気づいたのです。

日々、汗水を垂らして泥だらけになりながら
自然と向き合う大変さを近くで見てきたからこそ、
なぜ農家なんだろうと、思っていた若き日の私。

この体験を経てようやく、
両親がつくっているものへの
尊敬の思いが溢れてきたのでした。

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それ以来、私は時々自分のためにお花を買います。

地元に帰ってきた今、あの頃のような
懐かしさ、寂しさを感じることはありませんが、
何か変化が欲しいとき、気持ちを上げたいとき。

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その生き生きとした生命力とあたたかさに
助けられる瞬間は、たくさんあります。

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お正月。久しぶりに実家の
ビニールハウスに入ってみました。

冬場、じんわりと温かいハウスの中で
凛とした花がたくましく育っています。

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(勿忘草(わすれなぐさ)名前も可愛くて好きです。)

お花に全く興味がなく、
何を聞いても二つ返事だった昔と比べると、
私も随分と興味を持つようになりました。

その変化をきっと両親は感じていて、
実家に帰るたびに、嬉しそうに
作っている花の話をしてくれます。

あの時、自分のために買った花がきっかけで、
暮らしの楽しみが増え、両親や花づくりへの
理解も深まったんだよなあ、と。

ハウスに咲く花を見て、
そんなことを思い出しました。

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(思い出のラナンキュラス。黄色もあるんです。)

このお花たちが、誰かの日常に届き、
あたかさや喜びを生む。

そんな仕事をしている
両親のことを誇りに思うと同時に、
私自身もインテリアを通して
そんな気持ちになれるような
こと、ものを届けていくぞ、と
気持ちがきゅっと引き締まりました。

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