「ミラーH/A」の企画経緯とコンセプト設計についてお話します。
こんにちは。ヤマモトです。
オリジナル家具シリーズ「Re:CENO product」から
アンティーク意匠を復刻したミラーをリリースします。
このミラーは、1900年代中頃にスウェーデンで作られ
たアノニマス(作者不詳)なヴィンテージミラーを基
に、新たに復刻製作しました。
本日のマガジンでは、この新作ウォールシェルフの企
画経緯とコンセプト設計について、丁寧に紐解いてい
きます。
良いものを掘り起こし、現代の暮らしに受け継ぐ。
「H/Aシリーズ」のシリーズ第2弾です。
ミラーは、家具の中でもとりわけシンプルな構造であり、
北欧でも、昔から様々な形のものが製造されてきました。
ただ、チェアやテーブル、ソファーのように、現代まで
長く残る「名作」と呼ばれるものは意外にも多くなく、
シンプルな造形のものが多いようです。
僕自身も、ヴィンテージショップを覗いては、良い形
のヴィンテージミラーがないかを常々探していますが、
なかなか良いものに巡り合うことは少なく、
「欲しいけれど、ちょうど良いものがないなぁ。」
というのが、本音のところでした。
「欲しいけれど、手に入らないものならば、
誰でも手に入る様に、復刻しよう。」
これが「H/Aシリーズ」のコンセプトです。
リセノでは、有名デザイナーが作った「名作」と呼ばれ
る家具でなくとも、美しい見心地や、使い心地をもった
家具は、長くその良さを紡いでいきたいと考えています。
そのためには「手に入れられる価格帯」で提供する事と、
そもそも「手に入れられる数」を製造することが重要です。
そうしないと、良い意匠のアンティーク家具であっても
一般の方のお家には行き届かず、一部のマニアだけが
楽しめるものになってしまいます。
日本の生活で愛され続けてきた民藝品
「作者不詳の名もなき品=アノニマスデザイン」という
のは、日本の「民藝(みんげい)」の発想に近いと思い
ます。
日本でも、昔から一般庶民の中で使われ続けてきた
名品がとても多くあります。
それらは「民藝(みんげい)」という総称で呼ばれて
おり、誰がデザインしたかははっきりしないが、造形
が美しく、暮らしにフィットしていて、長く人々に愛
されているものを指します。
名作でなくても、美しいものは古来よりたくさんあります。
それを一般の家庭でも採用する事で、手に入る価格で
古き良きデザインを現代の暮らしにまで紡ぐ事が出来、
「美しい見心地」を享受できます。
ですから、海外の「民藝」とも言うべき、アノニマス
デザインを見つけ、良いものは消えることなく現代に
受け継いでいきたいと思っています。
以前に「H/Aシリーズ」の第一弾として発売した壁掛け
シェルフは、ヴィンテージ品として多く流通していない
品を復刻し、適正な価格によって、多くのお家に迎えて
いただいています。
この活動により生み出す製品を総称して、僕たちは
「H/A(エイチエー)」と名付けています。
名前の由来は、
- Hommage to anonymous:匿名意匠への敬意・尊敬
- Hommage to antiques:アンティークへの敬意・尊敬
です。
古いもの・匿名でも美しいものを現代に蘇らせて、
現代の暮らしに行きわたらせ、暮らしを豊かにする。
これらの想いをもって復刻するプロダクトを「H/A」
シリーズとして、今後たくさんのアイテムを復刻でき
るといいなと考えています。
オーク材を用いて「ヴィンテージな風合い」を。
味わいのある3色で復刻しました。
もともとの北欧ヴィンテージミラーは、チーク材を使用
して作られており、基本的には赤みを帯びたカラーのみ
でした。
現代ではチーク材は伐採規制などもあり、とても高価で、
質の良い材が手に入らなくなっています。
また、赤みを帯びたカラーだけでは、お部屋のテイスト
に合わない方も多いことでしょう。
このミラーは、質の良いホワイトオークを贅沢に使い、
仕上げもマットな塗装にすることで、ヴィンテージの様
な深みのある風合いを感じさせるようにしています。
使っていくごとに良い経年変化も見せると思いますので
子供や、その次の世代まで引き継げるような品質に仕上
がっています。
カラーは、お部屋に合わせて選べるように、いつも通り
の定番の3種類をご用意しました。
お手持ちの家具や、好みに合わせてお選びいただけれ
ばと思います。
ヴィンテージレッド
アンティーク家具でよく見かける赤味を帯びたブラウン
カラーを再現した「ヴィンテージレッド」。
リセノでは、ヴィンテージレッド色を家具でも多く展
開していますし、古い北欧家具がお好きな方にも、こ
のヴィンテージレッド色は、きれいにフィットすると
思います。
北欧ヴィンテージの家具と合わせても良いですし、
リセノのサイドボードやソファーなどと合わせても
きれいな色合いのレピテーションが得られます。
ナチュラル
ナチュラルは、オーク材の色味を活かした爽やかな
仕上がりです。
ナチュラルヴィンテージのお部屋作りの中でも、特に
さわやかで、明るい印象のスタイリングがお好きな方
に、おすすめのカラーです。
家具の色味は、明るいほどにお部屋は広く見えます。
一人暮らしの小さなお部屋の方や、リビングをできる
だけ「軽やかに、広く見せたい」という方にもおすす
めしたいカラーです。
ブラウン
ブラウンは、深みを感じられる色味で、ナチュラルで
はすこし物足りないという方におすすめのカラーです。
男性っぽい印象を受けるブラウンカラーですが、以外
にも、リセノスタッフの中でも女性スタッフに人気の
カラーです。
「こっくりと深みのある」色で、ぼくたちは「ミドル
ブラウン」と呼んでいます。
ブラウン色の家具と合わせると、深みがありながらも
さわやかな印象を兼ね備えた、絶妙のバランスのスタ
イリングに仕上がります。
ドレッサーから、フォーカルポイント、姿見まで。
用途に合わせて選べる3サイズを作りました。
復刻するにあたって、ヴィンテージそのままのサイズ
ではなく、現代の日本の住宅事情や、生活スタイルに
合う様に3つのサイズを作りました。
Sサイズ
Sサイズは、
幅 47cm × 奥行き 47cm
の小さなサイズ感です。
小ぶりなドレッサーなどと合わせて設置することで、
可愛らしいフォルムで、使いやすさとともに、お部屋の
アクセントになってくれます。
2kgととても軽量ですので、市販のホッチキスフック
などを使えば、賃貸でも壁に傷をつけることなく、お
好きな場所に設置できると思います。
四角く小さなフォルムでありながら、角や表面には
なめらかなカーブを付けていますので、お部屋にやわ
らかな印象を与えてくれます。
Mサイズ
Mサイズは、
幅 71cm × 奥行き 44cm
の横長のフォルムです。
おすすめの使い方は、お部屋の壁を飾るアートの代わり
として、サイドボードの上などに設置するアイデアです。
ミラーは、角度によって、お部屋を映し出したり、
窓の外を映し出したりするので、お部屋を広く見せる
効果があります。
サイドボード上を飾るディスプレイをする際に、アート
を飾る代わりにミラーを設置することで、お部屋を広く
見せながら、良いフォーカルポイントとして見せること
ができます。
Lサイズ
Lサイズは、
幅 126cm × 奥行き 46cm
の姿見として使えるサイズです。
壁にかけることで、お出かけ前の全身チェックなどに
使うことができます。
重量は6kgですので、僕たちも使っている耐荷重5kgま
でのホッチキスフックなどであれば、2つを使えば、
壁を傷つけることなく、設置できます。
高さ50~60cmあたりに下辺が来るように設置すること
で、全身が見えやすくなるのと、その下にスツールなど
を置くことで、玄関の見栄えを美しく整えることもでき
ます。
お出かけ前の身だしなみチェックに最適ですね。
また、リビングのサイドボード上に取り入れるのも
良いと思います。
外の光を大きく取り入れてくれますので、お部屋全体
を明るく感じさせてくれます。
こだわりを詰め込んだ「ミラーH/A」
2024年11月20日(水)より発売します。
というわけで、新作のミラーについて、企画経緯と
コンセプト設計を書いてきました。
なんてことのないシンプルな意匠のミラーですが、
シンプルだからこそお部屋の中に取り入れやすく、
気が利いた良いアクセントになると思います。
価格も上質な材料を使用しながらも、お求めやすい
価格を実現していますので、ぜひミラーをお探しの方
は、選択肢のひとつに入れていただければ嬉しいなと
思います。
東京・京都・福岡店では、すでに展示していますので、
ぜひとも店舗にてご覧いただき、店頭スタッフに飾り
方などもご質問・ご相談いただければと思います。
Re:CENO product|ミラーH/A